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17年の主要国ビール消費量、3年連続減少 ベトナムやフィリピンが成長
キリンは20日、17年の世界主要国のビール消費量を発表した。総消費量は前年比0.2%減の約1億8,672万kl、3年連続でマイナスになっている。国別1人当たりビール消費量1位は25年連続のチェコ、以下オーストリア、ドイツと続いている。
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国別消費量では中国が03年から15年連続で1位。ただし前年比3.9%減と市場は飽和状態を迎え、4年連続のマイナスになっている。中高価格帯のものは好調に推移しているものの、ぜいたく禁止令や酒類の多様化もあり、ビールは苦戦を強いられているという。
一方で高い成長を示しているのがベトナム(前年比5.8%増)とフィリピン(前年比13.8%増)。
ベトナムは高い経済成長を背景にビール消費量も増加。世界需要が伸び悩むなか有望な成長市場として、国内のみならず海外企業のベトナム進出も加速している。
タイの財閥大手はベトナム国営ビール最大手「サイゴンビール・アルコール飲料総公社(サベコ)」を買収、オランダのハイネケンも複数の地場ビールを傘下に収めている。
フィリピンは製造業やサービス業を中心とした好調な経済成長を背景に、飲酒傾向も主要であった安価なブランデーから、高級品であるビールへとシフトしているという。
アジアではその他、タイ(前年比15.8%増)や韓国(前年比5.6%増)が好調。一方で日本(前年比2.6%減)は11年連続で世界7位と、人口減少や若者のビール離れを背景に市場は縮小の一途を辿っているという。
そこで日本のビールメーカー各社は海外買収を加速、またキリンの医薬品事業やサッポロの不動産事業など経営の多角化も強化している。
その他、クラフトビール市場の開拓にも注力をしている。キリンは14年に「よなよなエール」を手掛けるヤッホーブルーイングと提携、16年には米クラフトメーカーとも提携を結んでいる。国内ではクラフトビールの専用サーバー「タップ・マルシェ」を映画館やブックカフェに相次いで導入、同サーバーにて提供される個性的なクラフトビールを若者に浸透させるべく強化している。
厳しい市場環境のなか、国内ビールメーカーの新たな取り組みは今後も注目していきたい。
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