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急速に大気が蒸発する太陽系外惑星を発見 ハッブル宇宙望遠鏡
大気が蒸発するホット・ネプチューン「GJ 3470b」の想像図 (c) NASA, ESA, and D. Player (STScI) [写真拡大]
太陽系以外の恒星を公転する惑星が初めて発見された1995年以降、約4,000個の太陽系外惑星の存在が明らかとなった。太陽系外惑星のなかでも特殊な天体が、「ホット・ネプチューン」と呼ばれる惑星だ。米航空宇宙局(NASA)が運営するハッブル宇宙望遠鏡の公式サイトHubbleSiteは13日、ホット・ネプチューン「GJ 3470b」の大気が急速に蒸発する現象を発見したと報告した。
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■珍しい太陽系外惑星「ホット・ネプチューン」
太陽系外惑星は、大きさや惑星を構成する成分、太陽からの距離等によって分類される。直径約4万キロメートルの海王星と同程度の大きさで摂氏約900度以上の温度をもつ天体はホット・ネプチューンに分類される。
恒星との距離が数百万キロにすぎないため、ホット・ネプチューンは高温を維持する。その距離は、地球と太陽との距離約1億5,000万キロよりもはるかに短い。
ホット・ネプチューンの発見が少ない原因は、それ自体が珍しい天体か、もしくは、誕生してもすぐに消滅するかのいずれかだと考えられる。
■最初に発見されたホット・ネプチューン「GJ 436b」
ハッブル宇宙望遠鏡は2004年、「GJ 436b(グリーゼ 436b)」と呼ばれる最初のホット・ネプチューンを発見した。しし座の方角に33光年離れた赤色矮星を公転するGJ 436bでは、大気が宇宙空間へと漏れ出る現象が観測された。GJ 436bは大気を失いつつも、惑星自体は消滅しないと予想される。
2012年にかに座の方角に約82.2光年離れたGJ 3470を公転する「GJ 3470b」もまた、ホット・ネプチューンに分類される。2013年に国立天文台によって大気を観測されたGJ 3470bを今回、ハッブル宇宙望遠鏡が観測を続けた。その結果、GJ 436bよりも約100倍もの速度で大気が蒸発していることが観測された。
GJ 436bと比較してGJ 3470bの大気の蒸発スピードが速い原因は、GJ 3470bの大気の濃度に関係するという。GJ 436bの場合、惑星からの引力の影響を受けない地点まで恒星の熱放射が大気を熱する。その結果、宇宙空間へと放出するガスが、惑星の周りに巨大な雲を形成する。他方GJ 3470bでは大気の濃度が低いため、熱せられた大気が惑星の引力でとどまらず、宇宙空間へと大気が消失するスピードが速いというのだ。
GJ436bやGJ 3470bで発見された大気の消失現象は、地球と天王星との中間の大きさの惑星が消えゆく運命にあることを示唆する。最終的にこれらのホット・ネプチューンはスーパーアースのように小型化し、地球型の岩石からなる惑星に進化するという。
研究の詳細は、欧州天文学誌Astronomy and Astrophysicsにて13日に掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る)
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