業務用冷凍食品市場が拡大、「串揚げ」や「餃子」が好調

2018年12月5日 18:36

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 富士経済は4日、業務用食品の市場調査結果を発表した。9月に発表した調味料、調味食品に続く第2弾として「乳油製品」や「冷凍食品」などについて調査結果をまとめている。

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■調査結果の概要

 乳油製品は、2018年見込みが17年比0.0%増の3,739億円、20年予測が同1.5%増の3,795億円と拡大する見込み。「チーズ類」が好調を維持しており、各メーカーが新たなチーズメニューの開発に力を注いでいるという。

 デザートは、2018年見込みが同0.1%減の1,174億円、20年予測が同0.3%減の1,172億円。「冷凍ケーキ」が幅広い品揃えによる人気や人手不足を補うカットケーキの需要増により好調、「冷凍和菓子」も高齢者施設で需要が高まることから拡大するものの、アイスクリーム類が他デザートへの需要流失などから縮小することで、全体としては微減を予測。

 冷凍食品では「冷凍ハンバーグ」が多様化により伸長、「冷凍鶏のから揚げ類」や「冷凍野菜」も伸びることから、2018年見込みは同1.2%増の6,995億円、20年予測は同2.6%増の7,064億円と予測。

 その他食品では「サラダ類」や「豆加工品」がサラダメニュー向けで需要が増加しているという。

 注目の業務用食品は以下の通り。

■冷凍串揚げ

 20年市場予測は17年比10.1%増の76億円。首都圏を中心とする東日本で認知度が向上、市場が拡大しているという。なかでも家庭での需要増を背景に、量販店総菜向けが好調。今後も専門店の店舗数拡大が見込まれることから、市場は大きく伸長するとしている。

■冷凍餃子

 20年市場予測は17年比7.2%増の104億円。量販店やコンビニ向け総菜が好調。ラーメン店のサイドメニューとしても採用増が見込めるため、さらなる市場拡大が期待されるという。

 また、9月発表の業務用食品市場調査第1弾では、市場拡大が見込めるものとして以下を挙げている。

■畜肉系たれ

 20年市場予測は17年比10.6%増の293億円。「焼き肉のたれ」や「焼き鳥のたれ」など、肉用のたれを対象にしている。肉メニュー好調を背景に、各メーカーによる健康を配慮した原材料の見直しも受け、需要は大きく拡大傾向にあるという。

 今後も、価格帯が安定している肉類は各世代にて需要が高まりつつあることから、市場は拡大するとしている。

■ホール・ダイス・クラッシュトマト

 20年市場予測は17年比9.8%増の90億円。トマトペーストでは出せない素材感や具材感が好評。本格志向のユーザー需要も増加し、市場は拡大している。トマトの健康志向イメージやメニューの拡充により、今後さらに需要は続伸する見込みだ。

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