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【資金効率を決める製造技術(2)】物流在庫は諸悪の根源 「行程結合」が資金効率を上げる
■物流在庫は諸悪の根源
製造・生産技術を開発するとき、何に注目すれば「資金効率」に繋がるのか?その答えは、「行程結合」だ。「分業」の社会で「工程を結合させるなど何事か」と考える人がいたら「時代遅れ」だ。半世紀前から、製造業に限らず物販、サービス業でも言い続けてきたが、理解できた人は少ない。特に、「物流・サービス業」で行程結合が要であるとする概念は、受け入れがたいもののようだ。しかし、確実に事は進んでおり、身近なシステムとして展開してきている。
【前回は】【資金効率を決める製造技術(1)】住友重機械「STAF」の要は「行程結合」 製造業は不滅
製造業においては、「多種少量生産」「混流生産」「順序生産」「スウィング生産」などいろいろな形で進化が進んでいる。物流で目覚ましい発展を遂げているのが、「コンビニエンスストア」「ネット販売」である。全て「行程結合」の概念で進化してきている。それでも、生産地点から直送はできていない。できる限り消費するところで造るのが正解だ。「ジャストインタイム」とはよく言った言葉だ。可能な限り在庫を減らし、輸送を減らさねば、効率は上がらない。
■「行程結合」が資金効率を上げる
それから、「まとめて造る・運ぶ」は明確に誤りだ。「倉庫」は無駄の塊で、「豊洲市場は必要悪」だ。資金効率を上げようとするなら、「在庫」を設けてはならない。
しかし、多数の流通在庫は存在している。材料をまとめて仕入れるから、置き場所が必要になっている。だから、建物も必要で、先入・先出など管理が発生し、運搬手段も必要だ。そして、作業が発生して人員が必要となる。すべては「資金効率」の点からは「ムダ」なのだ。それも膨大な無駄だ。
また、アメリカの自動車産業が後れを取っていることには、深刻な内容がある。マネーゲームで稼げる産業が出来ているので、「ラストベルト」が無視されてきたのだ。「専門職」であることは誇り高く叫んでもよいが、「多能工」になる必要がある。「行程を分けること」は悪であり、「単能工」であると失業する。それが、「資金効率」を求めるアメリカ資本主義の鉄則だ。
製造業において、製造・生産技術は「行程結合」の方向性で開発されねばならない。それは「中間在庫」を無くす方向であり、必ずしも加工時間短縮と一致しないこともある。
次は、具体的な新開発製造技術を見てみよう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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