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■製造業は不滅
「資金効率」と「投資効率」を混同している投資家が多いが、ビジネスモデルの資金効率を決めるのは「流通在庫」だ。確かに、情報によって物事は進むようになった。「情報が金になる」「マネーゲームだけで金が稼げる」のは事実だ。それほど多くの情報と資金が行き交っている。しかし、「人間の営み」で本来必要なのは、「衣・食・住」に必要なものだ。つまり、最終的には「製造」しなければ人間は生きていけない。
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半世紀ほど前、「情報化時代」が叫ばれた。コンピュータを使った情報処理の時代がやってくると言われて、懸命に勉強した。「物が行き交うのではなく、情報が行き交う」と教えられた。これは、当時の情報処理最先端の技術者でもあり、大学講師であった日本IBMの管理職の言葉だった。
しかし、現在、「物流」が人手不足で行き詰っている。物の動きは激しく、列車・自動車・船・航空機などあらゆる手段が使われている。もちろん、情報の量は飛躍的に増えた。その情報処理も、経済活動、国家の存亡を左右する。しかし、経済活動で稼ぎ出す根拠は労働だ。マネーゲームができるのは、配分に誤りがある証拠だ。格差拡大がもたらした「有り余った投資マネー」のゲームは、この先の危険であり、製造をやめてよい理由にはならない。ネット社会になっても、人間は製造し、物流しなければ生きられない。先人たちの「情報化時代」に向けた教えは、全く誤りだった。
現在、「製造業がなくなる」とまで危機感を募らせる経営者もいる。しかし、それはあまりにも肥大化したファンドマネー、それによるマネーゲームなど、本来の人間の営みとはかけ離れた経済活動がもたらした「錯覚」だ。ネット時代が発展するとしても、その情報が「効率」を高めるとしても、どうしても最終的には製造し、それを自分の手にしなければ人間は生きていけない。つまり、情報処理、マネーゲームはなくても生きられるが、農業を含めて「製造」がなければ人間は生きられない。
次は、製造・生産技術は何を目指せばよいのかを見てみよう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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