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【2019春夏パリ ハイライト3】アフリカ、中東、60年代未来派…浮かび上がるキーワード
2019春夏パリコレクション。前半はアフリカや中東、自然からのインスピレーション、60年代の未来派がキーワードになった。ジャンポールゴルチェの未来的なアフリカから影響されたようなデザインも目立つ。また、色は白、黒がある一方で、自然界から発想した赤やオレンジ、イエローといった鮮やかな色、レインボーカラー、夏のニットなどもアクセントになっている。時間軸では80年代や90年代スタイルも続いている。
アン ドゥムルメステール(Ann Demeulemeester)
「アン ドゥムルメステール」は今シーズンも独自のスタイルを強調しながら、マルタンマルジェラやアントワープ6へのオマージュとでも呼べそうなムードもプラスしたコレクションを見せた。白や黒のジャケットとパンツ、床を引きずるようなスカートやワンピース、ジレ、ミリタリースタイル、チェーンやベルトをアクセントにしたスタイリングなどはこれまでも繰り返されてきたもの。だが、顔を布で覆い隠したモデルたち、洗いざらしたような布、切りっぱなし、共布の花などが、90年代の「フラジル」や「シャビー」、「フリュイド」などのトレンドや、マルタン・マルジェラの回顧展「マルジェラ/ガリエラ1989-2009」を思い出させた。
マニッシュ アローラ(Manish Arora )
「マニッシュ アローラ」は今シーズンもパワフルなコレクションを発表した。ダイバーシティという言葉がトレンドになる前から、未来や異次元の民族とでも呼べそうなデザインを提案してきた「マニッシュ アローラ」。今回はサッカーワールドカップから発想したデザインや、原宿のカフェやパンケーキなどからインスパイアされたようなデザイン、80年代的ボリュームドレスなどを見せた。バッグも動物やサッカーボール、ケーキなどの形になっている。アニメやメイドカフェなども影響しているのか、オレンジのウィッグをつけたモデルも登場した。会場には「マニッシュ アローラ」の服を着たインフルエンサーやファンも多く、影響力の強さも感じされた。
クレージュ(Courrèges)
60年代にピエールカルダンやパコラバンヌとともに宇宙ルックを生み出した「クレージュ」。「シャネル」がロケットを発射した2017春夏コレクションの影響か、PVCがストリートやアパレルでもトレンドになる中、どんなコレクションを見せるのか注目が集まった。もはや歴史の1ページともいえる白やシルバー、ピンクなどを使った代表デザインを現代のバランスに仕上げたワンピースなどを筆頭に、創設者アンドレ・クレージュの不変のスタイルへのオマージュが随所に見られた。そこに、トレンドのアフリカ、ウエスタン、そして東京のかわいいカルチャーなどをミックスした。
ギ ラロッシュ(Guy Laroche)
光と影をテーマにした今シーズンの「ギ ラロッシュ」。80年代のパリのクラブをイメージした会場で、コレクションを発表した。前身頃の半分が黒、もう半分が白のジャケットやワンピース。前から見ると白で後は黒のスーツやワンピース、透ける黒と透けない黒、同じように透ける白と透けない白の組み合わせなど、光や影が当たったときに出来る表情を服に仕上げた。光の当たり方のバリエーションということか。アシンメトリーなデザインやイエローなどもアクセントになっていた。
アトライン(ATLEIN)
「アトライン」も60年代からアフリカまで様々な要素が共存するコレクションを発表。白をベースにした未来派的なドレス、アフリカを思わせるプリントを使ったシリーズ、美しいドレープドレスなどが登場した。とはいえ、そのバランスは今のもので、軽く、あくまでも都会で着ることができる服に仕上げられている。
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取材・文・画像:樋口真一
※この記事はアパレルウェブより提供を受けて配信しています。
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