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BMW・X2の挑戦 SUVクーペ 若者向きエクステリア・インテリア・横置きエンジンFF
BMW X2(画像: BMWジャパン)[写真拡大]
1.5、1.8、2.0Lガソリンエンジンを横置きにレイアウトし、FFを基本に4WDも用意する。ロングノーズ、ショートデッキのプロポーションではなく、現代SUVの太った胴体を持つ定番プロポーションだ。そのうえで、全高1535mmと1550mmの機械式駐車場に収まるクーペルーフデザインを持っている。
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名車である2002Tii、3.0CSiなどを知るBMWユーザーとしては、「BMWらしいデザイン」と言われても理解できないエクステリアではある。それはさておき、日本に輸入されるのは、当面1.5L、2.0Lガソリンエンジンのようだ。1.5Lは直列3気筒のようで、これにターボチャージをかけて140ps、22.4kgmを発揮する。車重が1.6tほどあるので、これでBMWらしい走りができるのか?と疑問になる。しかも3気筒に不安が残る。しかし、BMWが期待を裏切ることはあるまい。2.0Lは192ps、28.6kgmを発揮するので、スポーティーと言える走りになるのだろうか。
BMW2002の時代から、それほどの高馬力とは思わないのだが、その加速力は、なぜか数値以上の感覚に陥るのがBMWだ。おそらくは、スムーズなエンジン回転の上がり方がそう思わせるのだろう。しかし、かつてのBMW・850のV12気筒ではむしろ重い感じを受けたのは、操縦性の軽快感がなかったせいであろう。すると、ハンドリングのクイック感も大切であることが分かる。
BMWがFFのレイアウトを取るのには驚くが、もうそんなこと、つまりFRにこだわるユーザーはいないのかもしれない。FFを筆者は好きになれない。それはコーナーからの立ち上がりでパワーをかけると、アンダーステアが出てしまい、アウトに膨らむからだ。スズキ・スイフトを走らせてみても、かなりスポーティーに振った足回りではあるが、少しその気になって速く走ろうとすると、どうしても立ち上がりでアウトに膨らんでしまう。それほどエンジン回転をためることが出来ない素人の腕前では、立ち上がりでは早くアクセルを開けたくなってしまう。
しかし、そこはさすがにBMW。アンダーが出ると、内輪にブレーキをかけてFFのクセを押さえているようだ。マツダ・CX-5の場合だと、G-ベクタリングコントロールによりアクセルだけで抑えているようだ。これは、かなりの自然な出来栄えだった。スバル・XVも、BMWと同じ内輪にブレーキをかけるコントロールだが、見事にFFのようなクセを押さえていると感じる。むろん4WDだ。こうなると、BMW・X2も乗って確かめねばと思った。プリウスもFFのクセは出るようだ。この辺のハンドリングに関するこだわりが、どの程度、どの様なクセに対してかは、メーカーの特性が出るところだ。
BMW・X2のパッケージを見ると、かなり気を遣って実用性を求めている。ハッチバックドアを開けて、荷物の出し入れをするとき、ゴルフバックの出し入れがしやすいかが私にとって問題だが、これはスバル・フォレスターに軍配が上がるようだ。バックドア左右胴体側に残されたテールランプだが、その幅が狭すぎて心配になるほどに、フォレスターは開口部を確保することに気を遣っている。さすがに日本車だ。
乗り心地については、BMW・X2は固くしているようだ。乗り比べていないのだが、スバルやマツダのSUVにかなわないのだろう。しかし、操縦性能としてはどうなのかは、ワインディングで試すしかあるまい。それほど実用スピードでは差がつくはずもあるまい。
新感覚、若者向きBMW・X2を、2002Tii系おじさん方も試す価値は大いにある。いや新感覚BMWを体感してみるべきだろう。おそらくは、オンロード性能は当たり前に素晴らしく、ラフロード性能も目をむくことになるのは間違いあるまい。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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