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スズキ・ジムニー、オフローダーの証(2) 「新開発ラダーフレーム」
スズキ・ジムニー(画像: スズキ)[写真拡大]
■スズキ・ジムニーの「新開発ラダーフレーム」
スズキ・ジムニーのボディーの作り方を見ると、日常、本格的オフロードを走ることを想定していることが分かる。モノコックと比べると、ラダーフレームは「丈夫」に作れると解釈しがちだが、「同じ重量であれば、モノコックボディーのほうが丈夫に作れる」ことを確認しておきたい。「ラダーフレーム」つまり梯子型を基本としたフレームに、下部にはエンジン・ミッション、足回りを取り付け、上部にボディーを取り付ける構造により丈夫に作ろうとすれば、モノコック構造にするよりも重量がかさむのだ。
【前回は】スズキ・ジムニー、オフローダーの証(1) 「3アングル」スタイリングから見える走破性
では、「なぜラダーフレームを組むのか?」だ。スズキ・ジムニーはラダーフレームの上に、ゴムブッシュを介してボディーを乗っけている。つまり強度は、ほとんどラダーフレームが受け持ち、居住部分は乗っかっているだけなのだ。これでは車重が重くなってしまう。それをあえてフレームとボディーに分けたのは、連続して本格的オフロードを日常的に走破するとなると、ボディーにひずみが生じてくるからだ。そうすると、ドアが開かないなど全体のひずみとなって、最悪走ることが出来なくなってしまう。しかし、ラダーフレーム構造であると横転などの衝撃があってもかなり耐えられるので、最悪、走れなくなる限界が高くなる。また、修復も楽になることが考えられる。常識的オンロードSUVとは別次元のクルマなのだ。
スズキ・ジムニーは、それでも車重1,030kgに収まっているのは見事だ。フレームにハイテンを使用しているなど軽量化の技術は、スズキは優れているようだ。対して、トヨタ・シエンタなどミニバンのスライドドアがかなりの重荷になっていることがよく分かる。ユーザーは、装備と車重の関係に関心を持ったほうが良いようだ。
新型ジムニーでは、このラダーフレームを新設計して、クロスメンバーなどを追加して強化を図り、梯子型フレームの弱点である「捻じれ」を少なくしている。ハイテンの使用などプラットフォームの強度が、サスペンションセッティングにも幅を持たせ、結果として走破性能などの性能向上に役立っている。
次は、残る2つの特徴を見てみよう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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