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中古住宅の流通促進へ 国交省が不動産に履歴書付与
国土交通省は中古住宅の流通を促進するため、不動産に公的なIDを付与するシステムの導入を決めた。この不動産の履歴書によって所有している不動産をきれいに保つ動機づけを与え、中古住宅市場を活発にすることも可能だ。[写真拡大]
国土交通省は中古住宅の流通を促進するため、不動産に公的なIDを付与するシステムの導入を決めた。いわば土地や建物などの不動産に「履歴書」を与え、過去どのような取引が行われたか、維持管理やリフォームはどのようになされてきたかなどを明確にすることで、より透明性のある不動産の売買を実現したい構えだ。
このシステム導入の背景にあるのが、拡大する中古住宅市場だ。本来日本国内の住宅流通全体に占める中古住宅の割合は多くなく、国土交通省の発表によれば2008年時点で約13.5パーセントとなっている。欧米では中古住宅の割合が6割から9割ということを考えれば、日本の中古住宅市場がいかに遅れているかがわかるだろう。日本の住宅の寿命が欧米のそれと比べてかなり短いということも影響している。とはいえ近年の日本の人口減少に伴い、中古市住宅市場は徐々に拡大しつつある。ハウスメーカーとしても、新築の住宅をただ販売するのではなく、中古住宅の買取などにも手を広げなくてはいけない状況になっている。
こうした点から、不動産に履歴書のような役割を果たす住宅履歴情報を付与して住宅の造りや性能、リフォームや点検の記録を蓄積したものを整備することでより消費者に安心して中古住宅と取引してもらおうというのが国土交通省の狙いだ。点検やリフォームの記録がしっかりと蓄積されていればどんな製品をいつ頃交換しなければならないのか、耐震工事や省エネ改修がどの部分で必要なのかをすぐに知ることができる。中古住宅の購入時・売却時にも築年数だけでなく様々な情報の蓄積によって建物の適切な価値を算出することが可能だ。
不動産に履歴書を付与するのは単に中古住宅の経歴を記すためではない。住宅の所有者にしてみれば、適切な点検やリフォームを行っていればこの履歴書にその経歴が記されるので、住宅を売却するときに不動産の価値を高めることができる。所有している不動産をきれいに保つ動機づけを与え、中古住宅市場を活発にすることも可能だ。このシステムがどんな効果を市場にもたらすか目が離せない。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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