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土屋太鳳&芳根京子のダブル主演に期待できるか!美醜をめぐる「累」の見どころとは
「妖艶」という言葉がぴったりの映画だ(c)2018映画「累」製作委員会/松浦だるま/講談社[写真拡大]
■朝ドラ経験女優がタッグを組む
2018年も9月に入り、酷暑が少しずつ和らいでくるのを肌で感じられるようになってきた。そんな中、次々と秋映画も封が切られつつある。
その中でも特に注目したい映画が「累 -かさね-」だろうか。本作では朝ドラヒロインを務めた経験のある土屋太鳳と芳根京子という勢いを感じさせる若手女優がタッグを組んだ意欲作だ。さらに、物語も女性のドロドロした感情を感じさせるものとなっており、どちらの女優もあまり演じたことのない雰囲気の映画だけに、自然と期待が高まってくる。
■「累」のあらすじ
「累 -かさね-」は「イブニング」にて連作されていた松浦だるま著の漫画。「キスをしたら顔が入れ替わる」という口紅を軸にしながら人間の奥に眠る欲望を描いた本作は、2015年には第39回講談社漫画賞の一般部門にノミネートされた経験を持つ。
類まれなる演技の才能を持っていた淵累(芳根京子)だが、彼女は女性としては醜悪な顔に生まれついてしまったことをコンプレックスに思っており、なかなか表舞台に出ることが出来ずにいた。その一方、容姿には絶対の自信を持つ丹沢城ニナ(土屋太鳳)は演技力の欠如に悩んでいた。
ある日、累は母が残した1本の口紅を見つける。その口紅は塗って誰かとキスをすれば他人と顔や声を入れ替えることができる能力を持っていた。そこで、累とニナはその口紅を使ってお互いの顔を交換し、入れ替わりの人生を送ることに合意するのだったのだ。
絶世の美貌と演技力を兼ね備えた累は世間から羨望の眼差しを受け、一気にスターへの道を駆けあがっていくことになる。お互いの欲望は徐々に満たされていくのだが、入れ替わった状態の累と演出家の烏合(横山裕)の仲が近づいていく。しかし、この烏合に累もニナも恋心を抱くことで、誰にも言えない共同作業に亀裂が生じ始めるのだったー。
■物語は江戸時代から脈々と受け継がれるホラーがベース
どこか優等生のような役が多かった土屋太鳳にとっては、はじめてとも言えるダークな役どころを演じている。今までに見たことのない演技に注目が集まる。同時に、「高嶺の花」でも狂人じみた役どころを演じている芳根京子との掛け合いともあって、女のドロドロとした欲望劇としては十分に楽しめるかと思われる。
また、本作の物語は茨城県にある「累カ淵(かさねがふち)」という場所で語り継がれる怪談をベースにした「累物」という作品のイメージが盛り込まれているという。今も昔も女性の「美醜」に対する関心は変わらないという観点で見てみると、より本作に深みを持って触れることができそうである。
「累 -かさね-」は全国の映画館にて上映予定。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る)
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