はやぶさ2の着地点候補が決まる、10月下旬に着陸予定

2018年8月28日 07:02

印刷

「決定された着地候補地点」(C)JAXA、東大など

「決定された着地候補地点」(C)JAXA、東大など[写真拡大]

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は23日に記者会見を行い、10月下旬頃に探査機はやぶさ2の着陸(タッチダウン)を行うと発表した。予想外にリュウグウ全体が、大小様々な岩で出来ており、着地候補の選定は難しかったようである。候補地を絞り込んだ結果、リュウグウ赤道付近のL08(第二候補にL07、M04)と呼ばれるエリアに着陸する予定だ。

【こちらも】水が存在しなかった!「はやぶさ2」、リュウグウの表面を探査

 9月11日から12日には1回目のタッチダウンリハーサルを行い、着地点付近の岩などによる障害物の高さが50センチメートル以下の、なだらかな地形を探すことになる。

 また、2度目のリハーサルの前に、一緒にはやぶさ2に搭載されてきた、日本製の「MINERVA-II-1」の切り離しが9月21日に行われ、次に、ドイツとフランスによって作られた「MASCOT」の切り離しが、10月3日に行われる予定だ。それぞれの着陸地点がかぶらない場所を選んだということで、「MASCOT」はMA-9に、「MINERVA-II-1」はN6が着地点と決められた。

 2度目のタッチダウンリハーサルが10月中旬にあり、そして本番のタッチダウン1回目を10月下旬に行う予定である。はやぶさ2には、危険を察知するとすぐにその場を離れる機能が付いているが、「最悪のケースは、危険を過小評価して任務を遂行してしまって、岩などにぶつかったり、中空に飛び立つことが出来なくなることだ。」とJAXAのプロジェクトマネージャー津田雄一准教授は言う。リハーサルで得た写真などを元に、関係チームの様々な観察が必要となる。

 はやぶさ2の最大のミッションは、小惑星リュウグウの、表面よりも深い部分のサンプルを持ち帰ることで、最適な場所に球を打ち込み小さなクレーターを作って、その部分の採取をタッチダウンで行うことである。

 リュウグウ全体が似たような地形であることから、どの部分から採取しても同じようなサンプルが取れることを科学的に重要な点としている。同席した名古屋大学大学院の渡邊誠一郎教授は、「高い確率でサンプルには、有機物と水の証拠となる物質が含まれているだろう」と語った。

関連キーワード

関連記事