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消費を動かす“オーガニック市場” 注目は「アピセラピー美容」
オーガニックといえば、今では農作物だけに留まらず、自然の生き物や生き方を大切にするライフスタイルそのものを表す言葉としても使われはじめている[写真拡大]
今、日本市場を動かすカギが「オーガニック」と言われている。オーガニックといえば、もともとは化学的に合成された肥料や農薬を使わない有機農法で作られた農作物のことをさすが、今では農作物だけに留まらず、自然の生き物や生き方を大切にするライフスタイルそのものを表す言葉としても使われはじめている。
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日本国内で「オーガニック」という文言を商品パッケージに標記するためには、農林水産省の厳しい審査基準に合格し「有機JAS認定」を取得する必要がある。そのため、以前はオーガニックといえば高価な上、専門店や通販サイトなどでしか手に入れられないというイメージが強かった。ところが近頃ではイオンがプライベートブランド「トップバリュ」のグリーンアイオーガニックというシリーズで、野菜やお茶、コーヒー、調味料など幅広いラインナップのオーガニック食品を手ごろな価格で展開するなど、ぐっと身近になってきた。これもオーガニックブームを加速させている原因の一つだろう。
また、食べること以外の方法でも関心が高まっているオーガニック食品もある。例えば、蜂蜜はご存知の通り栄養価の高い健康食品の代表格だが、美容業界においても、蜂蜜を使った「アピセラピー美容」が世界中で注目を集めている。
アピとはラテン語でミツバチのこと。養蜂が盛んなヨーロッパではミツバチ産品の蜂蜜やローヤルゼリーなどを使用した美容法が伝統的な健康法として行われてきた。
「アピセラピー美容」が今改めて脚光を浴びているのは、イギリス王室のキャサリン妃がこれを実践しているとニュースに取り上げられたり、さらには多くのハリウッドセレブたちも実践していることが明らかになったからだといわれている。
日本でも、山田養蜂場などが早くからこの「アピセラピー美容」を推進しており、はちみつを使用したコスメ商品「ハニーラボシリーズ」や、ローヤルゼリーをつかったスキンケア商品「RJシリーズ」などを展開している。山田養蜂場の他にもエステブランドのVECUAがすべてのアイテムに蜂蜜を配合したナチュラルコスメブランド「VECUA Honey」を立ち上げるなど、オーガニックブームと相まって、国内でも徐々にアピセラピーコスメに火が付き始めている。
ほかにも、オーガニックの広がりを示すものとしては、ユニ・チャームが発売している「ナチュラル・ムーニー」などがある。同製品は日本初のオーガニックコットン配合のおむつとして2016年の発売以来、口コミで人気が広がったヒット商品だ。また、アース製薬が開発した、天然成分100%でありながらしっかりとした防虫効果が得られるオーガニックな防虫剤「natuvo(ナチューヴォ)」も、昨今のオーガニックブームの象徴的な商品といえるだろう。
農作物や食品だけに留まらず、我々の生活のあらゆるシーンで見直されつつあるオーガニック商品と、それを積極的に取り入れたオーガニックな生き方。オーガニック商品に包まれれば、心も体もナチュラルになりそうだ。(編集担当:藤原伊織)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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