ウル、2018-19年秋冬コレクション　本質をとらえた芯の強さと柔らかな個性

　ウル(URU)の2018-19年秋冬コレクションを紹介。

■テーマは“エッセンス”

　2018年を通じてのテーマは「エッセンス」。コレクション全体に流れるのはニュートラルな空気感だ。それは例えば、どのようなワードローブにもすっと入り込んでいけるような、それぞれのアイテムの柔軟な個性や、スタイリングを組んだ時の自然な佇まいから見て取れる。中立的でいながらにして、本質を捉えているからこその存在感も持ち合わせた、芯の強いピースが揃う。

■パープルやオレンジの明るいアクセント

　ベージュやグレー、ブラックといったベーシックな色彩の中で、パープルやオレンジなどの鮮やかなカラーが明るく穏やかなアクセントとして機能する。止水ファスナーを施した、パープルのフード付きコートは身体を丸ごと包み込むような、ドルマンスリーブが安心感を生み出す。ムラ染めのカットソーやパーカーは、色同士の境目が曖昧になったスモーキーな仕上がり。柔和な色彩がシンプルなアイテムに抜け感を作り出していく。

■アンクル丈の多彩なパンツ

　パンツはアンクル丈をメインに採用している。タックを斜めに入れることで布地に動きを付けたワイドパンツや、ウールスウェットでミニマルに仕立てたベイカーパンツ、厚みのあるウール素材ならではの重厚感を持たせたワイドシルエットなど、多彩なバリエーションの素材やフォルムで展開。いずれも、清潔感のあるさっぱりとしたフォルムに仕上げている。

■クラシック×モダンのバランス感

　知的なシャツにゆったりとしたチェック柄ジャケットを羽織った、クラシカルな趣のスタイルには、股上を深く設定したデニムテーパードワイドパンツがモダンな要素をプラスする。また、前後で反転せず全く同じ模様をあしらった、古着のようなデザインの抽象的なニットセーターとプレーンなパンツのコーディネートや、肉厚なネルシャツに、クリーンなホワイトのシャツ、パンツを組み合わせたルックなど、どこか懐かしく親近感のあるスタイルにミニマルで洗練されたアイテムを加えることで、それぞれの要素を中和させた、絶妙なバランス感を生み出している。

■1つのアイテムから様々な表情に

　トーンの異なるベージュを上下で組み合わせたスタイリングは、ニットセーターに同素材のストールを巻き付けて、首周りのフォルムに変化をつけた。プルオーバーのように頭を通す襟ぐりを施したストールは、頭を通して無造作に巻き付けるとアシンメトリーな造形を楽しむことができ、カーディガンを肩にかけるようにラフな巻き方をするとカジュアルな雰囲気が増す。

　ウエスタンテイストのパジャマシャツとイージーパンツのセットアップも同様に、着方によって異なる楽しみ方が可能だ。裾を出して着用すると、ゆったりとしたフォルムが強調されリラックスしたムードになるが、パンツのウエストにシャツを入れるとダークカラーに映えるオレンジのパイピングがより目立ち、制服のような印象に。1つのアイテムから様々な表情を引き出せるようなデザインとなっている。