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京大、DNA分析をもとにチンパンジーの年齢の推定に成功
研究で試料を提供したチンパンジーの一匹、アキナ。(画像:京都大学発表資料より)[写真拡大]
京都大学の研究グループは、DNAのメチル化の検出によってチンパンジーの年齢推定に成功した。
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研究に携わったのは、京都大学野生動物研究センターの伊藤英之特任研究員(兼:京都市動物園研究教育係長)、鵜殿俊史特任研究員、平田聡教授、村山美穂教授(同センター長)らの研究グループである。
動物の年齢を客観的・科学的な指標から割り出す事は、従来、困難とされてきた。特に、DNAは基本的に生涯不変の情報であるため、ここから年齢を推定するのは不可能であるというのが一般的な見解であった。
ところが最近になって、年齢によってDNAのメチル化の程度が異なるという事実が明らかになった。そこで、DNAから年齢推定ができるのではないかという可能性が取り沙汰されていた。
なお、これはヒトについても同じである。まだ実用化はされていないが、法医学分野での応用が期待されている。
野生動物にこれを適用する試みについても検討の俎上に上がっており、今回の研究はその一つであるといえる。
野生動物の年齢の推定は非常に困難である。動物の種類にもよる部分はあるが、基本的に、特殊な調査の対象となっていない野生生物の年齢は正確には分からない場合がほとんどであると考えてよい。
さて、では今回の研究の詳細を見てみよう。京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリにおいて飼育されている12匹のチンパンジーから、健康診断時に血液を採取し、そこからDNAを抽出した。うち8匹については、20年前の古い冷凍試料も検討の対象となった。
そしてヒトにおいて年齢とメチル化の関連性が指摘されているいくつかの遺伝子について解析を行ったところ、ELOVL2という遺伝子のメチル化が、年齢と正の相関を持っている事が分かったのである。なお、相関係数は0.74、誤差は5.4年であったという。
研究の詳細は、Scientific Reportsに掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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