『ONE PIECE』作者コメントが炎上!集英社が急遽「反省文」を公開

2018年6月18日 08:16

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 アニメやマンガで人気の『ONE PIECE』。ところが6月4日に発売されたコミックス89巻の表紙カバー“折り返し”に記載された、作者である尾田栄一郎氏のコメントやイラストが一部ファンの間で「不謹慎」「不愉快極まりない」として炎上した。

 この批判を受けて掲載誌である集英社の週刊少年ジャンプ編集部では6月14日、自社の公式サイトにて「謝罪コメント」を掲載している。

■横井庄一氏をネタにし炎上

 6月4日に人気マンガ『ONE PIECE』89巻が発売された。ところがその表紙カバーに記載された尾田栄一郎氏のコメントやイラストをめぐり、「不謹慎」だとする批判が殺到している。

 コミックスの表紙カバー折り返し部分には、作者のコメントやイラストなどが書き下ろされ、多くのファンはそれも込みで楽しみにしているのだ。

 ところが今回の『ONE PIECE』新刊では違ってしまった。

 折り返し部分に描かれていたのは、軍服姿の男性が敬礼する“似顔絵”。そのイラストを説明するよう添えられたコメントには、大皿にぽつんと残されたからあげに“横井軍曹”と名前を付け、「横井軍曹残っているよ! 誰か戦争を終わらせて!」や、「恥ずかしながら!! 89巻、始まります!!!」と説明されていた。

 実はこのコメント、太平洋戦争終結から28年もの間、グアム島で“終戦”を知らず1人で生き抜いてきた残留日本兵・横井庄一氏(享年82歳)を想起させるものだ。この横井氏が経験した壮絶な体験を、侮辱しているとの批判がAmazonのレビューやSNSなどに殺到。なかにはコミックスのカバーを刷り直し、交換して欲しいと願うユーザーも現われるほどだ。

 この批判を重く受け止め、掲載誌である週刊少年ジャンプは6月14日に公式サイトにて「配慮を描いた表現がありました」と反省文を掲載している。

 一方、ネットでは尾田氏が描いた“似顔絵”のモデルは横井軍曹ではなく、横井氏よりさらに後に帰国した小野田寛郎氏であると間違いを指摘する声も上がっているようだ。

 横井氏と小野田氏は過酷な場所で何年も生き抜いてきた、いわば戦争が生み出した犠牲者である。突然このような形でのクローズアップに、今ごろは鬼籍に入られた両氏も戸惑っているやもしれない。(記事:高塔・記事一覧を見る

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