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三菱商事、ポートフォリオの見直しにより最高利益更新に挑む
三菱商事は15日、ペルーのケシャベコ銅鉱山の権益を21.9%追加取得し、持分40%にすると発表した。
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総合商社の中で断トツの資産16兆円を有し、中期計画で積極的に資産を入れ替え、ポートフォリオの質の向上を図ると発表しており、その一環として実行したものである。
三菱商事は、1873年岩崎弥太郎によって設立された三菱商会が発展し各事業部門が独立する中で、三菱合資営業部が「立業貿易」の方針に則り、1918年総合商社三菱商事として独立したのが始まりである。
第二次世界大戦後GHQの財閥解体により分割され、その後分割会社が次第に集約して1954年三菱商事として復活・発足した。貿易仲介ビジネスから出発し、今では国内および海外の国・地域に200超の拠点を持ち、約1,200社の連結対象会社と協働しながらビジネスを展開する国内最大の総合商社になった。
幅広い産業を事業領域として貿易だけでなく、パートナーと共に世界中の現場で開発や生産・製造などを行っている三菱商事の動きを見ていこう。
■前期(2018年3月期)実績と今期(2019年3月期)見通し
国際会計基準(IFRS)による売上高にあたる前期の営業収益は、7兆5,674億円(前年比118%)、純利益は5,602億円(同127%)であった。
純利益の事業別の内訳は次の通りである。
1.地球環境・インフラ事業446億円(同191%)
千代田化工建設の持ち分損益改善と米国税制改正に伴う繰延税金負債の取崩益。
2.新産業金融事業442億円(同125%)
保有不動産の交換益計上とファンド評価益の増加。
3.エネルギー事業203億円(同37%)
資源関連資産の入替に伴う損失と廃坑費用の追加引当。
4.金属事業2610億円(同176%)
前年度に計上した一過性損失の反動と市況上昇による持分利益の増加。
5.機械事業852億円(同290%)
船舶事業の一過性損失の反動、売船益とアジア自動車事業の持分利益増。
6.化学品事業306億円(同115%)
販売価格上昇などによる持分利益増加。
7.生活産業その他事業743億円(同61%)
前年度のローソン子会社化と食肉事業の一過性利益の反動。
今期純利益は2期連続で過去最高益更新となる6,000億円(同107%)を見込んでいる。
■事業ポートフォリオの見直し戦略
事業環境の変化に対応し、成長を維持していくために中期計画で下記の通り事業ポートフォリオの見直しを行う。
1.資源と非資源のバランスの見直し
資源は原料炭、銅、天然ガスへ経営資源を集中し、非資源は主体的に強みを発揮できる分野に投資を集中。
2.事業投資から事業経営へのシフト
事業の中に入り、投資先の成長に貢献する事業経営により、次世代事業の強化。
3.ライフサイクルを踏まえて事業入れ替え
成長の芽、成長の柱、収益の柱、衰退と事業をステージ別に選別。収益の柱は2021年には500億円以上の利益を目指す食料、リテイル、自動車、LNGなど8重点事業。
4.キャッシュフロー重視
キャッシュ創出額の範囲内で成長投資と株主還元の実施。
ポートフォリオの見直しにより、利益成長を目指す三菱商事の動きを見守りたい。(記事:市浩只義・記事一覧を見る)
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