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正助の思いが国までも動かすか!「西郷どん」20話レビュー
■もう1人の主人公的存在、正助の活躍が語られた20話
NHKの大河ドラマ「西郷どん」の第20話が5月27日に放送された。5月に入ってからスタートした「大島編」では吉之助の再生の物語であると共に、江戸幕府が終焉へと向かっていく内容が描かれることになる。その中でキーパーソンとなる瑛太演じる正助は、20話においてその存在感を見事に際立たせた。
【前回は】浄化の物語がここからはじまる!「西郷どん」19話レビュー!
■薩摩藩の懐に入り込む正助
大島に幽閉された吉之助(鈴木亮平)は愛加那(二階堂ふみ)と夫婦生活をスタートさせ、徐々に心の平穏を取り戻していた。その一方、薩摩藩では隠居していたはずの斉興(鹿賀丈史)が実権を握り、以前の藩主であった斉彬とはまったく方向性の違う政治を行っていた。
この動きに異を唱える薩摩の下級藩士たちは吉祥院に集まり、激しい議論がかわされていた。中でも大山、有馬と正助(瑛太)が中心となっていた。だが、武力行使を行おうとする大山と有馬を正助がいつも制止するばかりで、事態の改善は一向に見られない。そればかりか、正助は斉興に取り入って城入りすることも多く、仲間たちからも非難の目で見られることが多かった。
徐々に正助と藩の仲が深まる中、正助の妻である満寿(美村里江)は斉興の妻であるお由羅(小柳ルミ子)の花見会に招かれていた。そこで囲碁の話で盛り上がった際にお由羅は彼女を気に入り、犬をプレゼントする。しかし、その犬を見て正助は激怒してしまい、仕方なく熊吉に預けることになるのだった。
■正助の行動の意図には吉之助あり
時が進み、斉興が息を引き取ることになる。その際に久光(青木崇高)が茂久の父として国父と呼ばれる立場になり、斉興に代わって実権を握ることになる。その一方で幕府による反逆者狩りの勢いは増すばかりとなっており、大山や有馬の怒りはピークに達していた。
再び彼らが吉祥寺にて談合をしている中、突然久光と正助が登場する。その場で久光は「今は動く時ではない」と彼らの行動を見透かしたかのような文書を読み上げたのだ。その堂々とした姿と配慮に感動する一方、正助が久光に情報を流したのではないかと嫌疑が掛かる。
ついに堪忍袋の緒が切れてしまう一同だが、正助は1枚の嘆願書を見せる。それは吉之助を薩摩に呼び戻すことを許してほしい旨が書かれているものだった。常に吉之助のことを考えていた正助の意思に怒りは収まるも、方向性が違ってしまうことで離れ離れになってしまう。
■板垣退助につながる姿が描かれた20話
正助の策略と思いが描かれた20話だが、このエピソードで正助は意思疎通における困難を体験する。まさに明治期に入って言論の自由を掲げる板垣退助の下敷きになるようなエピソードだが、今後どのように展開していくのかが楽しみである。
また、20話で「桜田門外の変」発生するのだが、薩摩藩のライバル的存在だった井伊直弼が舞台から退場することになる。この影響で薩摩と幕府の溝はさらに深まるのであるが、どのタイミングで吉之助は復帰してくれるのだろうか。
「西郷どん」は毎週日曜日20時からNHKにて放送中。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る)
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