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「運賃無料」タクシーの広がりを望む
まさに奇才。福岡の27歳の若手実業家が福岡市天神を中心に日本初の「運賃無料タクシー」を10台ほど運営し、2020年をメドに東京など主要都市でも展開するという報に接した時に先ず頭に浮かんだ5文字だった。そしてそんな実業家が15歳の時点で既に大型イベントなどの映像の演出を手掛ける会社を起業したと知った時は、「そんな息子を持ちたかった」と痛感した。
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無料タクシーの枠組みは、こんな具合だ。利用者は専用のアプリを使って配車を受け車に乗り込む。すると乗客の好みや行動パターンにフィットする店や商品、ファッション情報が社内に設置されたディスプレイに流される。運賃(運用コスト)は情報を発信するスポンサーの広告料。無料タクシー=走る広告塔というわけだ。
いま電車に乗ると「紙広告」と並んで「小型TV映像広告」を目にする。映像の資金源は企業(スポンサー)。もう30年以上前から某大手TV局の子会社が運営のための研究・開発を進めていた。電車も走る広告塔という次第だ。27歳の実業家の「無料タクシー」の原点は「広告塔電車だったのかな」などと思ったりもする。
ところで無料タクシーを展開する原資は、どう調達するのか。「株式投資型クラウドファンデイング」という方法で、既に1回目の調達がなされた。この方法は昨年4月に始まっている。一口で言えば「インターネットを介して未公開株を取引する」方法。青年実業家が無料タクシーを運営する会社の株に対し、広範な投資家が応募し資金を生み出す。
12日に、日本クラウドキャピタルが運営する「ファンディーノ(株式投資型クラウドファンデイングサービス会社)」が実行した。報道に共鳴した人(1人当たりの上限投資額50万円)がいかに多かったかは、調達額の目標の下限としていた1600万円にわずか52秒で達したことからも明らか。ちなみに上限としていた額にも4分30秒で達したという。
株式投資型クラウドファンデイングを活かし、「あっ」と驚くような事業が登場することは日本経済の活性化にもつながる。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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