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ARM、IoTデバイスを保護する最新プロセッサ「Cortex-M35P」発表
Cortex-M35P(写真:ARMの発表資料より)[写真拡大]
ARMは2日、物理的な脅威からIoT(モノのネットワーク)デバイスのチップを保護する最新プロセッサIP(設計資産)「Cortex-M35P」を提供開始すると発表した。
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1兆個もの機器をネットワークで接続するという2035年へのビジョンを目指すARM。組込みソフトウェア系のプロセッサでトップシェアを誇るARMといえど、野心的な目標だ。その実現にはセキュリティ強化が必須であり、今回の発表に至る。
セキュリティ機能は大別して2つだ。新型Cortex-M35Pプロセッサは、改ざん対策技術と堅牢なソフトウェア隔離の両方に対応する一方、近距離でのサイドチャネル攻撃からも保護可能だ。
チップの実装に起因する想定外のサイドチャネルは、暗号演算中のチップの消費電力や電磁場放出の観察などを通じて、情報を取得。チップ内で処理される機密情報の取得や想定外の動きを誘発する。このような攻撃に対処する機能が物理的なセキュリティだ。
●Cortex-M35Pの特長
物理的なセキュリティを全ての開発者が利用可能だ。Cortex-Mファミリのプロセッサとして初めて、耐改ざん性を設計に採用。これは、Arm SecurCoreプロセッサを用いたスマートカードなど、数十億個ものデバイスで実証済みの改ざん対策技術が基礎となる。
堅牢なソフトウェアの隔離はセキュリティの要だ。決済や通信の認証を取得した多層型のセキュリティを、デバイスのコア部で組み込むことが可能という。
電気自動車など機能安全が求められる分野にもセーフティパッケージで対応する。ISO 26262認証も可能なことは、自動車分野での普及を大きく意識している。
●セキュリティプロセッサ(ARM、Cortex-M35P)のテクノロジー
IoTの普及に伴い、セキュリティは必須となる。そのような中で、決済/IDアプリケーションで培った技術を基に、物理的なセキュリティ対策をも可能にした。
今後はスマート照明、ネットワーク型のドアロック、スマートメーター、車載用アプリケーションなどの市場へ展開する。そのため、既存セキュリティIPの2つであるCryptoCellとCryptoIslandについても、一連のサイドチャネル攻撃の保護技術への対応を発表。
セキュリティ技術の横展開は、本セキュリティ技術を採用する顧客の設計生産性を向上させるであろう。この物理的なセキュリティが市場に受け入れられるかがカギだ。(記事:小池豊・記事一覧を見る)
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