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自動運転をつかさどるAIの学習法Deep Learning(深層学習)(下) 人間の能力はAIの数千倍
■人間とAIの関係性は無限の可能性を秘めている
人間は、コンピュータが1昼夜かかって作業する問題を、数分でやってのけるほど柔軟で幅広い能力を持っていることに気づいたのが、その仕事での大変な収穫だった。いま、AIはやはりその後を追って、急速に学習しているのが脅威でもある。だがAIに出来るだけ作業を譲っても、「5つの数字で全てが計算できる」ことを発見するには、膨大なデータが必要であろうと感じる。それを「思い付き」のように発見する人間の能力を「経験値」と表現するだけではとても説明できない。
【前回は】自動運転をつかさどるAIの学習法Deep Learning(深層学習)(上) 法則性を見つけ出す
Deep Learning(深層学習)は「物事の法則性」を見つけ出すのだ。するとAIに与える「データの偏り」に注意しなければならないことになる。それは「経験不足・狭い範囲の経験」の人を作り上げてしまうことと同じだからだ。できるだけ「多数の広い分野」のデータをAIに解析させるように注意が必要だ。災害時の「広域避難の方策」を探るような場合、ビックデータと言えども、かなりの偏りが感じられる。「裁判資料」を処理する場合でも、「法律の知識」ばかりではなく「人間性」「人生観」の分野まで考慮したデータでないと、全ての犯罪を裁くには問題があることになる。
AIは人間と比較して「大量のデータ」を取り込むことが出来るので、全く「新しい概念」を発見する可能性はある。しかし、データになっていないことは、考慮できないので注意が必要だ。「データのとり方」「新しくデータの必要な分野」まで、人間に指示できるAIが欲しいところだ。なぜなら、そこに人間には未知の概念が存在する可能性があるからだ。
■人間の能力はAIの数千倍
この関係性こそ、これまでの「コンピュータのプログラムの組み方」と違って、またこれまでの「コンピュータと人間の関係性」ではなく、新しい「人間とAIの関係性」となりうるはずだ。言い換えると「人間の持つ創造性のごく一部を、AIに任せる」と言えるのではないか。先に挙げた「全仕事量の20%を人間が受け持つと、劇的に時間が短縮できる」事例を、よく考えてみてほしい。すると人間の持つ能力は、AIの能力の数千倍を超えて、推測不可能なぐらいであると感じられるはずだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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