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グレートバリアリーフの保護に約400億円を投入、オーストラリア政府が表明
グレートバリアリーフ。[写真拡大]
オーストラリアのマルコム・ターンブル首相は、4月29日、世界最大のサンゴ礁群であり世界遺産にも指定されている「グレートバリアリーフ」の保護のため、5億オーストラリアドル(約413億円)超を投じる方針を明らかにした。
グレートバリアリーフは、オーストラリア大陸の北東岸、南緯10度から24度まで、2,600キロメートルを超える長さに渡り続いている。暗礁が2,900以上、島が約900あり、総面積は約34万平方キロメートル。
その巨大さは宇宙空間からでも確認できるほどであり、生物が作り出した「単一の構造物」としては地球上最大であるという。
グレートバリアリーフを脅かす要因は様々にある。だが最大のものは、気候変動によるサンゴの白化現象である、と見られている。第二は、もっと直接的に人為的なもので、河川から運び込まれる農場の農薬や殺虫剤などによる汚染である。
第三に、サンゴの天敵でサンゴのポリプを餌とするオニヒトデの繁殖も深刻な問題となっている。第四に漁業があるが、これは21世紀に入ってから規制などが厳しくなり、グレートバリアリーフ海洋公園での漁業や釣りは禁じられるようになっている。
オーストラリアでグレートバリアリーフに関連して(観光などの)雇用を得ている人の数は、6万4,000人に及ぶという。グレートバリアリーフの保護は、近々の問題としては、これらの人々の雇用を保護することに直結している。ちなみにグレートバリアリーフのオーストラリア経済に対する効果は年間64億オーストラリアドル(約5,300億円)と見積もられているそうなので、5億オーストラリアドルの投資も将来のことを考えれば決して高くはないのかもしれない。
ターンブル首相は、今回の投資について、「サンゴ礁を保護し、生存能力やサンゴ礁に頼っている6万4,000人の雇用を保全するための、過去最大規模の単独投資だ。オーストラリア国民全員、特に生活をサンゴ礁に依存している人々のために、サンゴ礁の将来に向けて万全の手を打ちたい」と語った。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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