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乃木坂46 伝説となった生駒里奈卒業ライブとは?
1万人以上のキャパを持つ、武道館ライブのチケット倍率が30倍。全国の映画館で行われたライブビューイングも1時間で完売。
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何から何までけた外れのライブの主役は、デビューから連続センターに選ばれたとはいえ、握手会の人気で言えばトップ10にも入らない、選抜発表のときには「聖域枠」「運営のゴリ推し枠」などと叩かれていた女の子だった。
生駒里奈を説明しようとすれば、本が一冊余裕が書けてしまうくらいの存在なので、ここでは割愛するが、乃木坂46生駒里奈の卒業ライブは、いろいろな意味で深い愛情に包まれた暖かいライブとなったといえるだろう。
普段のライブではアンコールの最後に披露することが多い『乃木坂の詩』から始まったライブは、AKBの『初日』『てもでもの涙』『心のプラカード』といった名曲を挟みつつ、生駒里奈と乃木坂の7年間の成長を見せつけ、その魂を3期生、そしてまだ見ぬ次世代へ受け継がせる儀式のようでもあった。
会場には、乃木坂の卒業生である深川麻衣、伊藤万理華らも駆けつけ、さらにはミュージカルの稽古で忙しい中、渡辺麻友も「ラスト2曲だけ」だったそうだが駆け付けてくれたそうだ。
さらに、SNSでは、今回いけなかった卒業メンバーの他、AKBのメンバー、共演した芸人たちはもちろん、彼女と仕事をしたクリエイターたちもコメントを掲載した。
また、情報によると、会場内で一番嗚咽が大きかったのは関係者席のスタッフだったそうで、生駒がいかにスタッフに愛されていたかが垣間見える。
乃木坂結成当時、外仕事がほとんどないときに、他の番組に一人で出演することが多かった彼女は、誰よりも礼儀正しく、誰よりも生真面目に、そして誠心誠意仕事に臨むことで、乃木坂の業界内部でのイメージ作りに大きな貢献をしている。
「あの生駒ちゃんみたいな子たちなのか」という評判が、他のメンバーの外仕事へのキャスティングに与える影響がどれほど大きかったかは、今の状況を見ればわかるだろう。
彼女は最初から最後まで、乃木坂愛と乃木坂の看板としての責任を背負い続けていたし、おそらくはこれからも、持ち続けていくのだろう。
ライブ中のMCにて、メンバーが生駒へのメッセージを送る場面で、齋藤飛鳥が言った「生駒ちゃんが卒業したくないと思えるグループにできてないってことが悔しい」という正直すぎる言葉は、裏を読めば、まだまだ乃木坂は進化していくぞという決意表明であり、クールでネガティブなイメージのある齋藤飛鳥の、精一杯のエールだったのかもしれない。
生駒の希望でもあり、楽しく、爽やかで、あまり湿っぽくなりすぎない卒業ライブだったが、記者はどうしても一人のメンバーに目が釘付けになった。
そのメンバーは松村沙友理。
彼女と生駒の関係は乃木坂の中でも、独特なものがある。
第1回目のプリンシパル公演で、生駒が記者会見途中逃亡した事件のきっかけになった口論、そしてスキャンダル発覚のときのラジオ番組……。
明るく、元気なイメージとは裏腹に自己評価が低く、実はネガティブという共通項のある二人の関係性を知る者としては、笑顔を見せながらも、ときおり切なさを隠せず、最後には号泣してしまった松村の心中に勝手な共感を覚えてしまうのである。
生駒の卒業をもって、乃木坂の第一章が終わったという評価もあるが、このライブを見る限り、乃木坂の第一章はまだ始まったばかりではないかという気がどうしてもぬぐえない。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る)
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