ホテル・旅館業界の売上、16年度は過去10年で最高に 帝国DB調査

2018年4月24日 05:48

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 帝国データバンクの調査によると、訪日外国人旅行者数や日本人の国内旅行者数の増加に伴い、ホテル・旅館業界の売上が増加していることが分かった。

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■過去10年間で最高の売上

 20日、帝国データバンクが「ホテル・旅館経営業者の実態調査」を発表した。これは、6年連続で増加中の訪日外国人旅行者や、3年連続で増加している日本人の国内旅行者数を背景として、活況が続く宿泊業界に注目して調査を行ったもので、同社のデータベースに収録されている7,915社を対象としている。

 7,915社の2016年度における収入高合計は4兆9,012億2,500万円。これえは前年度比2.1%の増加で、ここ10年間で過去最高の数字となっている。10年の推移を振り返ると、2007年度から2011年度までは4兆円を挟んで横ばいか減少となっていたが、2012年度からは5年連続で増加している。

■好調な地域と不調な地域は?

 業績動向で「増収」と答えた企業の割合が「減収」と答えた企業の割合よりも目立って多かったのは、北海道(増収:31.2%、横ばい:44.8%、減収:24.0%、以下同じ)、南関東(28.6%、48.5%、22.9%)、近畿(33.1%、41.5%、25.4%)、四国(27.5%、51.4%、21.1%)だ。

 反対に「減収」が目立って多かった地域は、東北(20.1%、51.6%、28.4%)、甲信越(19.8%、52.6%、27.7%)、北陸(27.1%、40.6%、32.3%)だ。東北は、「観光客数の伸び悩み」で減収企業が多く、北陸は、「北陸新幹線開業効果の反動減」などが影響し、減収の構成比は11地域中最高の32.3%に。

■事業内容の多角化が裏目に

 年商規模別では、年商100億円を超える企業では66社中41社(62.1%)が「増収」と答えている一方、1億円未満の企業では3,484社中508社(14.6%)に留まっており、年商規模が大きい企業ほど増収企業が増える傾向にある。

 また業歴別では、10年未満の企業435社中166社(38.2%)が増収と答えたのに対して、30~50年未満の企業では2,399社中510社(21.3%)など、業歴が長い企業になると増収と答える企業が減っている。これに関しては、「業歴が長くなるにつれ事業を多角化するケースもあり、催事事業や飲食事業など、宿泊事業以外の分野の業績が落ち込んだ企業での減収が目立つ」という。

■旅行者数の増加についていけるか

 今後も旅行者数の増加が見込まれることから、業績の改善が続くことが見込まれるという。ただし、民泊の解禁による競争の激化や従業員数の不足などもあり、「顧客の満足を得られるサービスを提供しつつ、IT技術の導入などで生産性向上を図った働きやすい職場づくりを目指すなど、顧客や従業員の満足度を高める対応」が求められるとしている。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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