『火垂るの墓』など手がけた高畑勲監督が死去 仏大使館からもコメント

2018年4月8日 18:49

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 映画『火垂るの墓』などで知られる高畑勲監督が肺がんのため、4月5日に都内の病院で死去していたことがわかった。享年82歳。この訃報は翌6日、スタジオジブリが書名で明らかにしたことで、多くのファンが高畑監督の突然の死を惜しんでいる。

 高畑監督は宮崎駿監督と共に日本アニメーション界をけん引してきたひとりだ。また親仏家としても知られており、フランス大使館からは追悼のコメントが寄せられている。

■『火垂の墓』や『おもひでぽろぽろ』の高畑監督が死去

 4月5日、日本アニメーション界の巨匠・高畑勲(たかはた いさお)監督が肺がんのため東京都内の病院にて死去していたことが、スタジオジブリの書面で翌6日明らかにされた。享年82歳。

 高畑監督はジブリ映画『火垂るの墓(1988年)』、『おもひでぽろぽろ(1991年)』、『平成狸合戦ぽんぽこ(1994年)』などを手がけており、今年2018年は監督デビューから50年となる節目の年でもあった。また最後の作品となった『かぐや姫の物語(2013年)』は、第87回アカデミー賞長編アニメ賞にもノミネートされている。

 スタジオジブリでは鈴木敏夫プロデューサーが宮崎駿監督と相談し、「ジブリとして盛大なお別れ会をとり行い、見送ることにしました」と発表。また「さぞかし無念だと思います」と、高橋監督の死を深く偲ぶコメントを述べていた。

 なお通夜、葬儀などは親近者のみの執り行われ、5月15に「お別れ会」が営まれる予定だ。

■各界からも追悼のコメントが寄せられる

 『アルプスの少女ハイジ』などでも海外から高い評価を受けていた高畑監督は、2015年にフランス芸術文化勲章オフィシエを受賞していた。そのためフランス大使館からはローラン・ピック在日フランス大使名義で「この偉大なアーテキストは、その傑作でフランスでも愛されていました」とTwitter上でお悔やみの言葉が述べられている。

 『じゃりんこチエ』でチエの父親・テツ役の声優を演じたお笑い芸人の西川のりお氏は、「高畑監督と言えばさまざまな作品を生み出した方ですが、私にとっては『じゃりン子チエ』の『テツ』を作った方です」と、所属事務所を通じてコメントを発表。脚本や原作などを手がけている辻真先(つじ まさき)氏は「『屋根の上のチッカポッカ』が実現に至らず、とうとう仕事でごいっしょできなかったのが残念でなりません」とのコメントを出している。

 高畑監督追悼として急遽、4月20日の「金曜ロードSHOW!」では『火垂るの墓』ノーカット放送を決定。この作品で高畑監督は演出・脚本を担当し、ブルーリボン特別賞や文化庁優秀映画など数々の賞を受賞している。

 いちアニメファンとして高畑監督のご冥福を心よりお祈りしたい。(記事:高塔・記事一覧を見る

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