国内菓子メーカー、「近畿」健闘 京都などインバウンド需要が貢献

2018年2月13日 12:04

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 帝国データバンクは9日、国内菓子メーカー486社の経営実態調査結果を発表した。16年度(16年4月~17年3月期)決算の年売上高が判明した国内菓子メーカー486社について分析している。

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 国内菓子メーカー486社のうち、前年度と比べて16年度に「増収」となった企業は260社(構成比54.9%)となり、増収企業の割合が半数以上を占めた。

 訪日外国人増加によるインバウンド需要が地方にも波及し、土産菓子の販売が好調だという。また店頭販売に加えて、ネット販売による売上高増加も見受けられたとしてる。

 損益状況をみると、16年度が「黒字」だった企業の割合は83.0%を占めた。一方で「赤字」企業は17.0%と前年度比で2.5ポイント増加したとしている。

 赤字企業には人手不足による人件費の上昇、結婚式向け贈答商品の減少などにより、収益を圧迫するケースがあったとしている。さらに原料米やサラダ油、包装資材が上昇したことで影響を受けた菓子メーカーもあったという。

 増収企業の割合が最も高かった地域は「近畿」(59社、構成比65.6%)で、世界中から観光客が集まる京都や大阪などの観光需要がけん引している。大手向けのOEMを手がける企業の健闘も光ったという。

 「北陸」(18社、構成比64.3%)は、北陸新幹線開業時のインバウンド特需は落ち着いてきているが、金沢を中心とした持続的な観光客の訪問が土産菓子の売り上げに寄与しているという。

 昨今「義理チョコ」の需要が減退するなか、自分用に高級チョコレートを購入する女性が増加傾向にあるという。売れ筋は「3,000~5,000円」、キーワードは「オシャレ」「限定品」「インスタ映え」。百貨店や菓子メーカー各社はこうしたトレンドを捉え、新製品や希少性の高いチョコレートに注力している状況にあるという。

 今後、菓子メーカーは台頭著しいコンビニスイーツなどとの競争激化が予想されている。老舗企業といえど、若年層の和菓子離れや職人不足により厳しい局面を迎えていることから安泰ではないという。こうしたなか、菓子メーカー各社は時代の変化に応じた柔軟な動きが必要とされている。

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