【編集長の視点】東洋ドライループは2Q決算発表を先取りして超品薄割安株買いが再燃し急反発

2018年2月2日 09:20

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 東洋ドライループ<4976>(JQS)は、前日1日に320円高の5730円と急反発して引け、ジャスダック市場の値上がり率ランキングの第35位に躍り出た。同社株は、今年2月6日に今2018年6月期第2四半期(2017年7月~12月期、2Q)累計決算の発表を予定しているが、前期業績と同様に2Q累計業績の上ぶれや連続増配などの期待を高めて割安株買いが再燃した。また株式需給的にも、発行済み株式数がわずか135万株超、浮動株比率が14%超と超品薄で、決算発表や業績修正、配当異動などのたびごとにストップ高を交えて急伸した急騰特性も、買い手掛かりとなっている。実際に前日1日の取引終了後には、市場の期待通りにその今期2Q累計業績の上方修正を発表した。

■立ち上がりの1Q業績は大幅増益・高利益進捗し早くも中間配当を増配

 同社の今2018年6月期業績は、売り上げ53億1200万円(前期比8.1%増)、営業利益5億100万円(同50.0%増)、経常利益6億3400万円(同24.3%増)、純利益4億8500万円(同34.3%増)と続伸が見込まれ、純利益は、前期の過去最高を連続更新する。優れた摺動特性と安定性で省エネ・高耐久性を実現する主力のドライループ(固体潤滑剤)が、新車・低燃費車の投入が続く自動車業界向けに高水準に推移し、電気・電子部品業界、光学機器業界向けも復調、海外関連会社の受注が増加、為替相場も円安ペースとなっていることなどが要因となる。

 この今期業績の立ち上がりとして昨年11月10日に発表した今期第1四半期(2017年7月~9月期、1Q)業績は、前年同期比11.3%増収、2.27倍営業増益、4.67倍経常増益、さらに純利益も、1億3600万円(前年同期は900万円)とそれぞれ大幅続伸して着地し、今6月期通期予想業績に対する利益進捗率は、27%~31%と目安の25%を上回った。これを受けて前日大引け後には、今期2Q累計業績を上方修正し、期初予想より売り上げを8000万円、営業利益を6700万円、経常利益を1億1900万円、純利益を8600万円それぞれ引き上げ、純利益は、3億3200万円(前年同期比2.12倍)と連続大幅増益となった。電子部品業界向けなどの増産が寄与し、為替差益4400万円を計上することが要因となった。6月通期業績は、主要各国の金融緩和政策縮小観測や地政学的懸念などから外部環境が不透明として期初予想を変更しなかった。

 また同社は、昨年12月8日に中間配当として2Q累計業績の増益対応として期初予想より2円増配して19円(前年同期実績17円)とし、6月期年間配当を36円(前期実績34円)へ連続増配を予定している。市場の一部では、今年2月14日が、2008年の新規株式公開(IPO)からちょうど10年目となることから、なお上場10周年の記念増配期待も高めている。

■昨年来安値から4倍超の大化けもPERは15倍となお割り負けプラチナ株人気も

 株価は、昨年1月の昨年来安値1451円から前期2Q累計業績の上方修正で1740円高値まで底上げし、前期第3四半期の好決算で2225円、さらに前期業績の上方修正に今期業績の続伸予想が加わって2回のストップ高を交えて4100円と上値を追い、中間配当の配当権利取りで5560円まで買われた。配当権利を落とした今年に入って、権利落ち安値4750円から上場来高値6300円まで切り返し、昨年来安値から4.34倍の大化けを演じた。それでもPERは15倍台とジャスダック市場の全銘柄平均の22.6倍を大きく下回っている。発行済み株式数や浮動株式の少なさからプラチナ株とも評価されており、最高値抜けから上値チャレンジに弾みをつけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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