【編集長の視点】セックは反落も過去最高の受注高・受注残を見直し通期業績も上ぶれ期待は健在で押し目買い妙味

2018年1月9日 09:46

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 セック<3741>(東1)は、3連休前の前週末5日に68円安の2614円と反落して引けた。同社株は、直近安値から昨年10月11日につけた株式分割権利落ち後高値2774円の目前までおよそ400円高しており、3連休を控えて目先の利益を確定する売り物が出た。ただ下値には、昨年11月9日に発表した今2018年3月期第2四半期(2017年4月~9月期、2Q)累計決算で、受注高、受注残、売り上げが過去最高を更新したことを見直し、2Q累計業績が期初予想を上ぶれて着地したことと同様に、3月期通期業績も上ぶれることを期待し押し目買いが交錯した。テクニカル的にも、25日移動平均線が75日移動平均線を下から上に突き抜けるゴールデンクロスを示現し、上昇トレンド転換は健在として買い材料視されている。

■モバイルネットワークBFの受注高が55%増、社会基盤システムBFも26%増

 同社の今期2Q累計業績は、期初予想より売り上げが1億8700万円、利益が800万円~3100万円上ぶれ、前年同期比12.7%増収、57.1%営業増益、54.9%経常増益、41.5%純益増益で着地し、売り上げが過去最高を更新するとともに、利益も大きく増益転換して過去3番目の記録となった。受注高が26億9900万円(前年同期比25.3%増)、期末受注残が18億5500万円(同40.3%増)と過去最高を更新するなど好調に推移し、売り上げの2ケタ増で外注費や研究開発費の大幅増を吸収して上ぶれ着地につながった。

 この受注高の分野(ビジネスフィールド、BF)別では、モバイルネットワークBFが、移動体通信事業者向けのサービス系の開発が好調で前年同期比55.0%増、社会基盤システムBFが、官公庁案件や医療分野の開発が好調で同26.2%増となった。またロボットビジネスの売り上げは、大手自動車メーカーからの車両自動走行研究ソフトウェアの開発案件が堅調に推移して2億8500万円となり、前年同期の2億4100万円、前々同期の1億2400万円から順調に増加した。

 今3月期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ45億円(前期比1.7%増)、営業利益5億円(同15.5%増)、経常利益5億2000万円(同14.0%増)、純利益3億6000万円(同14.5%増)と増益転換を見込んでいる。ただ第3四半期以降にNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)から委託された「ロボット活用型市場化適用技術開発プロジェクト」の共同研究・開発がスタートすることなどから、2Q累計業績と同様の上ぶれも期待されている。

■上昇トレンド転換を示唆するゴールデンクロスを示現し分割権利落ち埋めにチャレンジ

 株価は、昨年9月末割り当てで実施した株式分割(1株を2株に分割)の権利を2990円で落とし、落ち後安値1315円から前期業績の一転した上方修正、東証第2部への市場変更・記念増配、今期業績の大幅増益転換予想、さらに東証第1部の指定替えや今期第1四半期の好決算、NEDO公募案件の委託決定と好材料が続いて権利落ち後高値2774円まで2.1倍化した。同高値からは、立会外分売が響いて2168円まで調整したが、国際ロボット展への出展、人工知能(AI)・機械学習プラットフォームの共同研究成果の学会発表などで再騰、25日線が75日線を上抜き25日線固めからの買い転換、上昇トレンド転換を示唆するゴールデンクロスを示現した。分割権利落ち高値奪回で弾みをつけ、分割権利落ち埋めにチャレンジしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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