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期待値は十分!2018年大河ドラマ「西郷どん」の第1話レビュー
■新しい大河ドラマ「西郷どん」がスタート
ベテラン作家・林真理子原作の「西郷どん」を、「ドクターX」や「花子とアン」で知られる中園ミホの脚本でスタートしたNHKの2018年大河ドラマ。お互い息の長い作家が手掛けることもあり、非常に濃密な作品となることが予想される。
さらに、今回の主役である西郷隆盛は今最も脂が乗っている鈴木亮平が担当。様々な役になりきる彼の演技力には定評があり、今回の大河ドラマで描かれる西郷隆盛は今までとは違った姿が描かれる予定となっている。
期待を一身に受けた「西郷どん」だが、2018年1月7日に放送が開始された。内容としては、十分に期待に応えてくれたものとなっていたように思う。
■「西郷どん」第1話は西郷と斉彬の出会いが中心
物語は現代の上野に置かれてある西郷隆盛の銅像からはじまる。この銅像は西南の役で戦死してから21年後に立てられたものだ。この銅像のお披露目会に出席していた岩山糸(黒木華)が「こんなのは西郷隆盛ではない」と否定するところから、物語ははじまる。
時代は西郷隆盛が死んだ後の時代から遡り、天保11年(1840年)の西郷の子ども時代まで戻る。幼少期時代は小吉(渡邉蒼)と呼ばれており、立派な武士を目指して日々鍛錬の日々が続いていた。ある日、藩最大の行事である「妙円寺詣り」が行われ、小吉も参加していた。この行事に岩山糸(子供時代・渡邉このみ)も参加しており、小吉たちは彼女の協力もあって見事優勝する。
しかし、この行事に女が参加することはご法度と言われており、糸だけでなく小吉も非難されることになる。この窮地に現れたのが島津斉彬(渡辺謙)だった。彼は糸をかばう小吉の態度を賞賛し、周りの状況も一変することになる。斉彬の言葉を受けた小吉は、変装してまで女性のことを知ろうとする。
だが、妙円寺詣りの件で小吉をよく思わない少年とケンカになってしまう。その際に肩へ傷を負うことになり、剣を振るうことができなくなる。武士になる道を絶たれ、尊敬していた斉彬にも忠義を果たせなくなり、絶望の淵に立たされる小吉。
そんな絶望から彼を救ったのは、やはり斉彬の言葉だった。小吉は偶然にも斉彬と再会し、ケガのことと忠義を尽くしたかった思いを伝える。すると、彼から「これからはか弱き者の声を聞き、民のために尽くせる者こそが真の強い侍となる。お前はそういう侍になればよい」という言葉をもらう。新たな目標を胸に掲げ、小吉は立派な武士を目指していくのだ。
■新しい「西郷隆盛」像が垣間見える作品
西郷隆盛といえば明治時代を形作る上で欠かせなかった人物。彼については勇猛な武将というイメージがあるかもしれないが、大河ドラマでは人の立場になって考えられる優しい人物として描かれている。その土台となるのが糸や斉彬との出会いであるのが、1話を見ていると伝わってくる。
ドラマ冒頭のナレーションでも「女性にも男性にもめっぽうモテた」という触れ込みが流れており、今迄の西郷隆盛とは違うイメージで描かれるのがわかる。今後の展開にも期待できる大河ドラマではないだろうか。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る)
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