NYの視点:円売り持ち高水準維持、今週の注目:米住宅関連指標、消費者信頼感、BOJ議事要旨など

2017年12月25日 07:45

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記事提供元:フィスコ


*07:45JST NYの視点:円売り持ち高水準維持、今週の注目:米住宅関連指標、消費者信頼感、BOJ議事要旨など
短期投機家・投資家の円の売り持ち高は前々週から小幅増加した。市場の円売り持ち高は依然高水準で、円の上昇余地を狭める。ユーロの買い持ちは2007年5月来で最大の水準から減少した。

今週は、クリスマス、年末年始の連休で、調整が予想される。ただ、新年度に向けたリスク選好の動きが優勢となる可能性がある。米上院は21日夜、下院に続き暫定予算案を可決。今後、3週間、ミサイル防衛など国防総省の歳出に45億ドルの緊急資金が供給されるほか、いくつかの医療プログラムなどに資金が供給され、とりあえず政府機関閉鎖を回避。また、トランプ大統領の署名をもって、税制改革法案が成立した。2018年から法人税の引き下げを柱とする大型減税を実施することが確定。税制改革法により、法人税率は従来の35%から21%に一気に引き下げられる。

共和党と民主党の財政や政策を巡る交渉は来年以降に持ち越される。2018年には移民法改定やインフラ、政府の給付金制度などの交渉がさっそく行われる。インフラでは比較的超党派の支持を得られやすいと見られるが、政府の給付金制度の改定においては民主党の反対が予想され、難航すると見る。ポール・ライアン下院議長は2018年の給付金制度改革に前向きな姿勢を見せたが、マコネル上院院内総務は中間選挙を控え、2018年中の給付金制度改革の取り組みは無理だろうとの考えを示した。

米国は住宅関連、消費者信頼感指数など2018年度の利上げペースを探ることになる。12月消費者信頼感は、11月に17年ぶりの高水準に達したのち楽観的見方が落ち着くと見られている。また、日本銀行は10月末に開催された金融政策決定会合の議事要旨を公表。黒田総裁が講演で、緩和策を維持する方針を繰り返すと、円売りに拍車がかかる可能性もある。欧州中央銀行(ECB)は、経済報告を発表する予定。イタリア議会は年末に解散、来年3月の総選挙が実施される。スペインではカタルーニャ州独立問題がくすぶるなど、欧州では金利先高感が強まる一方で、政局不安がユーロの上値を抑制する可能性がある。

■今週の主な注目イベント

●米国
25日:クリスマスで休場
27日:12月コンファレンスボード消費者信頼感指数:予想128(11月129.5)、
11月中古住宅販売仮契約:予想前月比−0.5%(10月+3.5%)
28日:11月前渡し商品貿易収支:予想‐675憶ドル(10月−681憶ドル)、11月卸売り
在庫確定:予想前月比+0.3%(10月−0.5%)、12月シカゴPMI:予想62.0(11月63.9)

●欧州
25日:クリスマスで休場
26日:ドイツ、英国、休場
28日:欧州中央銀行(ECB)経済報告を発表

●日本
26日:日本銀行、金融政策決定会合(10月30−31日開催)議事録公表へ、
黒田日銀総裁講演

●地政学的リスク
北朝鮮
イラン
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン《CS》

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