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中小企業継承にM&Aという手だて 深刻化進む後継者不足対策に
政府・与党が来年度の税制改正で、相続税負担の更なる軽減(現状では、非上場会社の先代経営者から譲受した株式8割にかかる相続税の支払い猶予)措置の検討に入ったと伝えられた。
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信用金庫は中小企業のための金融機関と言い、最後まで第二地銀入りしなかった城南信金の元理事長の故小原鐵五郎会長は「富士山の秀麗な姿には誰しもが芽を奪われるが、白雪に覆われた気高い頂きは大きく裾野を引いた稜線があってこそそびえたつ。日本経済も同じだ」と、独特の表現で中小企業を評した。けだし明言。2割の大企業は8割の中小企業があってはじめて、成り立っている。
そんな中小企業がいま、後継問題という課題と対峙している。中小企業庁は昨年12月に公表した「事業継承ガイドライン」の中で「中小企業の経営者の年齢のピークは過去20年間で47歳から66歳となった」とし、暗に「5-10年後には承継のタイミングの真っただ中となる」という見方を示した。だが承継問題は既に深刻化している。近畿経済産業局は「後継者不足で中小企業の廃業がこのまま進むと2025年までに関西圏で約118万人の雇用と域内総生産約4兆円が失われる」という警告試算を発表した。
思う。後継者不足・難は「税制優遇策」だけで解決できる問題ではない。「このあたりが潮時か」と経営者が肩を落とし廃業を決めてしまうのは、誰も非難できない。しかし経営者が手塩にかけた事業を「真に必要」と確信するなら、落胆・廃業云々の前に行うことがあるはずだ。「どうやったらこの事業を残せるか」という策に思いを馳せ、行動を起こすことだ。
昨年6月に上場したばかりの企業に、ストライクがある。この会社は公認会計士・税理士が中心となり地方銀行と提携し「事業継承のための施策」として「M&A」の仲介を業とし立ち上げたもの。年々歳々、右肩上がりの成長を遂げている。上場後初の決算となった2016年8月期の「54%増収、44%営業増益、57%最終増益」に続き前8月期も、「67組(前々期48組)のM&Aを仲介」と勢いは増すばかり。
継承問題に悩む経営者にそうした存在を知らしめるのも、メディアの役目と考える。「会社の宣伝」などと言う向きには、天国の小山氏から鉄槌が下る!?(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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