ヤストシ エズミ、2018年春夏コレクション発表 コラージュに込めた想い

2017年8月28日 21:12

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記事提供元:ファッションプレス

 ヤストシ エズミ(Yasutoshi Ezumi)の2018年春夏コレクションが、東京・神宮前のトランク ホテルにて2017年8月25日(金)に発表された。

 8月も終わりだというのに暑い日が続く日々。今シーズンのヤストシ エズミは、そんな暑さを忘れさせてくれるような爽やかなコレクションだ。

 まず、洋服を作るうえでデザイナーの江角泰俊が念頭に置いたのは「コラージュ」というテーマ。これまで建築を大きなテーマとして掲げてきたが、そこから離れてあらゆるものを模索し、コンテンポラリーというブランドの根底にあるコンセプトを「コラージュ」という視点で表現するよう転換した。パターンの組み方やレイヤーの仕方で、風になびくワードローブは着る人に女性らしさを纏わせる。

 ショーの始まりを告げたトレンチコートは、色違いのテキスタイルで構成したロング&リーンなシルエットだ。ワンルックがロジックの異なるもので満たされている。コートの上から巻きスカートのようなものを巻き付けていたり、通常あるはずのないバックスタイルに袖が垂れていたり、まさに「コラージュ」を体現する。一方、デニムジャケットはジッパーとボタン、そしてプリーツでも遊んでいる。ビックシルエットの大きなキャンパスに、ステッチがのびのびと巡らされている。

 とはいえ、ありったけのものを足すのではなくて、きちんと女性らしさを補うために引き算も忘れていない。シャツワンピースは、前から見ると多様な装飾だが、バックシルエットは比較的シンプル。前に置いたコルセットは後ろからは見えず、ウエストが強調されているもののフラットだ。また、シャツ地のワンピースのなかで、幾枚かの布をアシンメトリーに重ねたようなスタイルがある。そこには、肌を見せる楽しさがあり、引いて見える美しさが凝縮されている。

 ただ装飾をカット&ペーストするだけでなく、テイストの組み合わせも感じさせている。その中でも象徴的だったのがミリタリーのムードである。ドローコードはジャケットに巡らされ、ギャザーを導いている。しかし、装飾が重すぎてはいけないから、きちんと胸元はエレガンスな深いV字。スカートやワンピースに用いられたアイレットやレースアップのディテールも同じで、ミリタリー的要素を汲んでいる。「コラージュ」を紐解くために、通常ならさりげなく用いられるそれらを敢えてクローズアップしているのが面白い。

 江角はこうした「コラージュ」の表現について「予想外なものを導くものであって、アイディアは無限に出てくる。」と話している。視点を変えた今季には、その「意外性のある組み合わせ」により、江角の“ブランドのこれから”に対する想いを伝えてくれた。コスチューム ナショナル(CoSTUME NATIONAL)のウィメンズデザイナーとしてもスタートを切り、さらに来シーズンからはブランド名を「エズミ」に変更するという。新たな1歩を踏み出す江角の心が垣間見えるシーズンであったともいえるだろう。

※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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