【編集長の視点】LIFULLは小反落もバカンスシーズン入りを前に民泊関連株人気再燃で再発進が有力

2017年7月12日 09:02

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 LIFULL<2120>(東1)は、前日11日に3円安の937円と小反落して引けた。7月3日に年初来高値996円まで買い進まれており、目先の利益を確定する売り物に押された。ただ下値には、このところ相次いで打ち出した民泊関連事業を評価する買い物が続き、バカンスシーズン目前で訪日外国人客(インバウンド)人気の再燃が期待されている。今年7月1日から8月31日まで鎌倉由比ケ浜海岸に「LIFULL HOME’S海の家」をオープンしたこともフォローの材料視され、また今年8月14日には決算期を変更した今2017年9月期の第1四半期(2017年4月~6月期、1Q)決算の発表を予定しており、業績期待も高めている。

■楽天と民泊事業の新会社を設立し世界最大の民宿泊サイト運営の米国ホームウェアとも業務提携

 同社は、昨年2016年6月から民泊予約サービス「LIFULL STAY」の試験運用を開始し、今年6月22日には楽天<4755>(東1)と共同で「楽天LIFULL STAY」を設立して民泊事業に参入した。今年6月9日に成立した民泊新法(住宅宿泊事業法)に基づき、住宅宿泊仲介業者として観光庁長官の登録を受けたうえで民泊施設を提供したい人と利用したい人をインターネットを通じて結び付ける新たなプラットフォームを構築、宿泊仲介サービス「Vacation Stay」を提供する。約9000万人にのぼる楽天会員と約800万件を掲載するLIFULLの不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」のそれぞれの経営資源と知見を活用する。

 さらにこの新会社・楽天LIFULL STAYは、今年7月3日に世界最大級の民泊サイトを運営するホームアウェイ(米国テキサス州)と民泊事業での業務提携に基本合意した。楽天LIFULL STAYが今後開設予定の「Vacation Stay」に掲載される国内民泊物件をホームウェアに供給する。ホームウェアは、月間ホームサイト訪問者数が約4000万人に達する集客力を生かした訪日旅行客へのマーケティングを行いインバウンド需要を拡大させる。また新会社は、LIFULLが、今年6月19日に国土交通省に事業採択されて構築中の「LIFULL HOME’S空き家バンク」と連携して地方の空き家活用の一選択肢として空き家を内外旅行者向けの民泊に転換したり体験型民泊を提供したりして地域振興、観光振興を目指す。

 なおLIFULLの今期業績は、決算期が3月期から9月期に変更されるが、期初には今2018年3月期の通期業績として売り上げ374億2000万円(前期比25.1%増)、営業利益41億3900万円(同1.8%増)、純利益29億3400万円(同6.1%増)と予想され、前期の過去最高を連続更新する。8月14日発表予定の今期1Q業績が、どのような進捗をみせるか、6カ月決算となる今2017年9月期業績がどう予想されるかなど注目される。

■安値から4割超の急伸後のスピード調整は材料株評価不変で買い場提供を示唆

 株価は、配当権利落ち後の年初来安値696円から下げ過ぎとして821円へリバウンドし、上下100円超幅のレンジ相場を続けてきたが、国土交通省の事業採択と証券会社の目標株価引き上げのダブル効果でレンジ上限を上放れ、楽天との新会社設立、ホームウェアとの業務提携と続いて年初来高値996円へ4割超の急伸をした。足元ではこのスピード調整の高値もみ合いとなっているが、なお値ごろは3ケタにとどまり材料株評価は不変で買い場提供を示唆しており、高値奪回から昨年8月以来の1000円大台活躍が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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