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問題解決の極意その8 〜現場をその気で見る〜
問題解決するに当たり、現場をその気で見ることが大切です。その気で見ることを『観察』といいます。現場をなんとなく見ていていると何も見えてきません。
●人間にはなんとなく見る習性がある
私たちは物事をなんとなく見ることに慣れています。例えば、今日出勤途中の最初の信号は何色だったか覚えていますか?殆どの人は覚えていないと思います。しかし、赤だったら止まる、青だったら進むという正しい判断をしたはずです。
皆さんは間違いなく牛の顔を知っていますね。思い浮かべてみてください。眼があります。鼻があります。口があり、顔の輪郭をイメージしてください。ところで、耳と角どちらが内側、どちらが外側だったでしょうか?
牛の顔を知っているはずなのに、殆どの人が分からないでしょう。その理由は牛の顔をその気で見ていないからです。『耳と角、どちらが内側かな?』と思って、牛の顔を見ていれば、分かるはずなのです。
このように人間は普段、物事をなんとなく見て、正しい判断や物事の認識をしています。従って、現場をなんなく見ることに慣れており、見えてないものがあっても気が付かないのです。
●現場をその気で見ると見えるものが変わってくる
問題解決では『その気』を視点と言います。視点は物事の原理・原則や本質、体験、事例等から手に入れることが出来ます。例えば、正しい作業をする上では『定位置作業の原則』が必要になります。作業をし始めたら、その場所から動かず作業進行していくことが正しいという意味です。この時の問題の見え方は『歩行』という現象で現れます。
従って、作業現場では『何故歩行が発生しているのか?』という視点で、現場をその気で見ると、色んな問題が見えてきます。
しかし、いつも通り歩行をなんとなく見ていると一生懸命歩いている現場の人達を見て、『頑張って仕事しているな』と認識してしまい、問題は見えてこないのです。
●視点を手に入れる方法
視点は勉強しないと手に入りません。残念ながら努力した人だけが視点を手に入れ、見えるものが変わってきます。本・雑誌・メディアを読む時、その目的を『視点』取得と設定すればよいのです。
また社内の会議での先輩、上司の話しからも『視点』を手に入れる事が出来ます。目的を視点の頂きと設定し『そんな見方があるのか』、『そんな整理の仕方があるのか』と教訓を抽出、『そんな見方をしているから見えるものが偏るのか』と反面教師とするとよいのです。退屈な会議も楽しくなるかもしれません。(記事:KMAきむらマーケティング&マネジメント研究所 木村博・記事一覧を見る)
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