米国雇用統計:4月の振り返りと5月のポイント「雇用者数と時間給賃金の動向に注意」、住信SBIネット銀行(三井智映子)

2017年6月2日 10:07

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記事提供元:フィスコ


*10:07JST 米国雇用統計:4月の振り返りと5月のポイント「雇用者数と時間給賃金の動向に注意」、住信SBIネット銀行(三井智映子)
こんにちは。フィスコマーケットレポーター三井智映子の「住信SBIネット銀行の気になるレポート」です。

今週2日に発表される雇用統計発表は、いったいどのような内容になるのでしょうか。
住信SBIネット銀行の「米国雇用統計」レポートでは、以下のように今回の発表内容を予想しています。

まずは前回4月の米雇用統計のおさらいから。同レポートは、『4月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比21.1万人増え、3月の7.9万人増から急回復しました。完全雇用に接近している中で、20万人を超える雇用者数の増加はかなり強い印象となりました』と伝えています。

レポートでは、こうした結果を受けて、『為替市場では米連邦準備理事会(FRB)が次回6月の会合で利上げに踏み切るとの観測は強まりましたが、景気見通しを変えるほどではないとの受け止めが多かったことや、週末にフランス大統領選の決選投票を控え、持ち高を一方向に傾ける動きは限られました』との見解を示しています。

では、5月の雇用統計のポイントはどうでしょうか。同レポートでは、『2日に発表される米雇用統計(5月)では、非農業部門雇用者数の増加が18.5万人と予想されています。失業率は4.4%、時間給賃金は前月比で+0.2%(前年同月比+2.6%)と、先月とほぼ変わらない予想になっています』と見ています。

先月発表された4月の雇用統計も踏まえ、今月の雇用統計によるアメリカの金融政策、6月利上げへの影響に関して、『4月の非農業部門雇用者数は、サービス業の増加を中心として幅広い分野で雇用が増加しました。今回も予想以上の増加となれば、FRBの利上げ継続や、バランスシート縮小に進む方針が継続され、14日のFOMC政策金利発表における0.25%の利上げ実施がより確実視されるでしょう』と伝えています。

さらに、時間給賃金の伸び率が停滞していることに着目し『しかし、雇用者数は順調に増加し、失業率が確実に低下してきた中で、時間給賃金の伸び率は0.3%に留まっており、昨年と変わらない状況です。労働市場の需給はひっ迫して、賃金の上昇が確認されなければ利上げを継続する必要性はないとの考えもあり、今後、今まで以上に時間給賃金の動向に注目が集まる可能性があります』とも分析しています。

レポートでは、注目すべきポイントとして、『予想に近いか、それ以上に良い結果となれば、これまでの政策が維持されると思いますが、時間給賃金が低下した場合には、今後の政策に変更の余地が出てくるかもしれません。雇用者数の推移とともに労働賃金の動向にも注意が必要です』と伝えていますのでしっかりウォッチしたいですね。

また米雇用統計の前哨戦であるADP雇用統計は6月1日(木)の日本時間21時15分に発表予定ですので、こちらもチェックしてみてください。

上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「米国雇用統計」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコマーケットレポーター 三井智映子《DM》

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