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【編集長の視点】ANAPは2Q上ぶれ着地業績見直しに新卸売販売サイト「TFW」スタートがオンして3連騰
ANAP<3189>(JQS)は、前日23日に4円高の485円と3日続伸して引けた。今年4月11日に発表した今8月期の2016年9月~2017年2月期(第2四半期、2Q)業績が、連続赤字で着地したものの、赤字幅が、期初予想を上ぶれて縮小したことを見直し、8月通期業績の4期ぶりの黒字転換の確度が高まったとして低位値ごろ株買いが増勢となった。今期2Q累計決算と同時に発表した新サービスの卸売販売サイト「Tokyo Fashion Wholesale(TFW)」の開始も、同社の収益性の高いインターネット販売比率をさらにアップさせるとして再評価されている。また、株式需給的にも、昨年10月に取締役会決議された自己株式取得が進捗していることも、ポジティブ材料視されている。
■不採算店舗退店の効果が表面化し高収益のEC販売利率も60%にアップへ
今期2Q累計業績は、利益が期初予想より1000万円~1400万円上ぶれ、売り上げ32億2800万円(前年同期比7.4%減)、営業利益3500万円の赤字(前年同期は1億8800万円の赤字)、経常利益3500万円の赤字(同1億8700万円の赤字)、純利益5700万円の赤字(同6900万円の赤字)と連続の赤字幅を縮小させた。昨年4月から販売オペレーションを再構築する再生プロジェクトを推進し、店舗販売事業で引き続き不採算店舗を6店舗退店し、売り上げは減収となり、不採算店舗の減損損失も計上したが、再生プロジェクトによる在庫圧縮や粗利益率改善などの効果が表面化してカバーし上ぶれ着地につながった。
今8月通期業績は、期初予想に変更はなく売り上げ70億9500万円(前期比0.2%増)、営業利益1億200万円(前期は6000万円の赤字)、経常利益9500万円(同6800万円の赤字)、純利益5500万円(同2000万円の赤字)と4期ぶりの黒字転換を見込んでいる。不採算店の退店を進めるとともに収益性の高いインターネット販売に経営資源を集中しており、EC(電子商取引)比率が、2013年12月の新規株式公開(IPO)時の25.3%から前2017年6月期に51.5%に大きく上昇、今期はさらに60%へアップさせることを目標としていることなどが寄与する。4月下旬からスタートさせた新サイト「TFW」は、全国の小売店、ネットショップの利便性向上を目指して、他社メーカー商品も取り扱い、販路拡大を見込むメーカーや在庫処理に苦慮するメーカーなどの卸売販売ニーズをサポートするもので、同社のEC比率をアップさせる。また、自己株式取得は、上限を10万株(発行済み株式総数の2.45%)、取得総額を3000万円としているが、今年4月末までの取得累計は、それぞれ6万1900株、2724万円に達している。
■分割落ち後高値からの調整は2カ月を経過して株価水準もダブル底を形成し再騰期待
株価は、昨年8月31日を基準日にした株式分割(1株を2株)の権利を落とした権利落ち後安値287円から自己株式取得や今期第1四半期の黒字転換業績を評価しストップ高を交えて今年3月の落ち後高値615円まで2.14倍化して分割権利落ち分をほぼ埋めた。その後は、地政学リスクに伴う全般波乱相場の波及や今期2Q累計業績の連続赤字を嫌ってこの大化け幅の半値押し水準まで調整した。同調整も、日柄で2カ月を経過し、株価水準自体も年初来安値に並んでダブル底を形成しており、底値買い妙味を示唆している。今年3月の急伸相場の再現期待を高め、落ち後高値奪回を目指して再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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