KDDI、「スマートドローン」による4G LTE完全自律飛行実験に成功

2017年5月10日 12:07

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実験の様子(KDDIの発表資料より)

実験の様子(KDDIの発表資料より)[写真拡大]

 KDDIは、新潟県長岡市山古志にて、「スマートドローン」による4G LTE完全自律飛行実験を実施し、約2kmの長距離飛行に成功した。本実験はドローンを利用して、山古志支所から約2km離れた住民宅に食品を届けるというもの。スタートから着地まで約8分で食品を届けることができた。

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 「スマートドローン」とは、4G LTEネットワークを経由してWeb上から飛行制御できるドローンのこと。現状のドローンは、飛行現場でオペレーターが操作する送信機の電波により飛行制御を行うが、「スマートドローン」は、ドローンの近くにオペレーターがいなくとも遠隔で飛行制御することができる。

 今回の実験が行われた新潟県長岡市山古志は、2007年に発生した新潟県中越沖地震で甚大な被害を受けた地域。今後の災害時の支援や被害状況の把握等にドローンの活用を検討しており、KDDIの「スマートドローン」を用いた4G LTE完全自律飛行実証実験に賛同し、本実験の実施に至った。

 KDDIは、同社が保有する4G LTEネットワークと4G LTE対応の「スマートドローンプラットフォーム」を地域の課題やインフラ点検等の解決に役立てるため、様々な実証実験を実施している。本実験は、高齢化が進む地域への災害時支援の実証実験の第一弾として行われた。

■「4G LTE運航管理システム」とは
 「スマートドローン」の飛行制御だけでなく、飛行ルートの指示、飛行中の位置、高度、速度、電波状況、カメラ映像などの飛行状況を4G LTE経由で監視し、離陸から着陸まで、全ての操作を4G LTEを経由して、Web上で制御するシステム。飛行時のリアルタイム映像も、Web上の「ライブビューエリア」にて確認が可能。また、ジオケージング (仮想上の檻) を設定することで、風雨・機体トラブルといった不測の事態により設定エリア外に出たドローンを、自動的に設定エリア内の指定地点へ飛行させ、強制帰還させることもできる。

■「スマートドローンプラットフォーム」とは
 4G LTEネットワークを経由して、Web上から遠隔操作できる「スマートドローン」、3次元地図を活用しドローン同士またはドローンの建物への衝突を防ぐ運航管理システム、ドローンが取得したデータを蓄積・分析するクラウドサービスで構成され、ドローン運用のトータルソリューションの提供を目指すというもの。

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