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【マラソン】キプチョゲ、F1サーキットで2時間切りに挑戦 結果は?
スポーツ用品メーカー・ナイキのプロジェクト「ザ・ブレーキング2」が6日、F1サーキットとして知られるモンツァ・サーキット(イタリア)で行われた。
ザ・ブレーキング2は、ナイキが進めている「人類初となるフルマラソン(42.195キロ)を2時間以内で走破する」ことを目指したプロジェクトだ。
■プロジェクトの実施条件・参加者、記録は?
今回のプロジェクトは、F1シリーズが開催されているサーキットを利用。1周2.4キロのフラットな周回コースを約17.5周走る形式で実施された。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、開始時刻はイタリア時間の午前5時45分から。レース途中にペースが落ちるのを防ぐため、30人のペースメーカーが途中入れ替わりながら参加、先導者の後ろで三角形を作ることで風よけの役割を果たした。
また、水分補給の際にスピードが落ちないよう、自転車に乗った人が各選手にドリンクを渡していた。
気温が高くならない時間帯を選び、カーブが少なく、なるべく水蒸気圧で体が冷えないコースを選ぶなどの徹底ぶりだったと解説した。
同プロジェクトには、リオ五輪男子マラソン金メダルで世界歴代3位の2時間3分5秒の記録を持つエリウド・キプチョゲ(ケニア)、13年と15年のボストンマラソン優勝の実績を持つレリサ・デシサ(エチオピア)、ハーフマラソン世界記録保持者のゼルセナイ・タデセ(エリトリア)の3名が、2時間切りを目指して参加。
キプチョゲは、25キロまでは2時間を切るペースだったものの、後半にややペースが落ちて失速。35キロ時点では6秒以上の遅れとなり、最終的には、2時間0分25秒でゴールした。
マラソンの記録公認条件として、コースには下記の規定がある。
1.コースの長さは競技距離より短くないこと、かつ競技距離の1000分の1以下(マラソンの場合42メートル以下)の誤差であること
2.距離の測定については1001メートルをもって1000メートル=1キロとする。
3.スタートからゴールまでの標高の減少が、競技距離の1000分の1以下(マラソンの場合42メートル以下)であること
4.スタートとゴールの距離が、直線で競技距離の2分の1以下であること
なおAP通信によると、今回のコースはレース場の周回コースを走っており、公認条件を満たしていないため非公認記録扱いになる。
●賛否両論の意見も
今回のプロジェクトに向けて、ナイキは3人の選手に栄養学などのサポートを実施。また、カーボンファイバー製の軽量シューズを履いて走っていた。
その他にも特殊な環境下で出された記録である点や、3人がドーピング検査を受けたかどうかという点などで疑問も出ている。
しかし、現在の世界記録はデニス・キメット(ケニア)の2時間2分57秒で、今回キプチョゲが出した記録はこれを2分32秒更新しており、会場などの条件と準備次第では2時間以内で走破することも十分に可能という結果を示したともいえる。
今回は惜しくも2時間切りは達成できなかったが、目標に向けて十分な成果が得られたといえる。次回の挑戦に期待したい。(記事:夏目玲奈・記事一覧を見る)
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