ただのゲーム宣伝ドラマじゃない!愛にあふれる『ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』

2017年4月28日 20:01

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実写とゲーム画面がシームレスに行きかうが、自然な作りになっている『ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』は新しいドラマとして確立しつつある。(c)TBS/MBS/スクエアエニックス

実写とゲーム画面がシームレスに行きかうが、自然な作りになっている『ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』は新しいドラマとして確立しつつある。(c)TBS/MBS/スクエアエニックス[写真拡大]

■深夜ドラマ『ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』がスタート

 2017年の春ドラマもほとんど第1話がスタートを切ったが、その中でも特に異色なのが『ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』である。このドラマは従来にはない手法が使われており、ドラマ画面とオンラインゲーム『ファイナルファンタジーXIV』のプレイ画面の両方が使われている。

【こちらも】スクエニ協力のドラマ『ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』とは

■第1話を振り返る

 『ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』は、オンラインゲーム『ファイナルファンタジーXIV』を通じて親子の交流を綴ったブログが元になっている。ブログ筆者はマイディー氏と呼ばれる人で、氏は元々『ファイナルファンタジーXIV』を愛してやまないプレイヤー。その彼が60歳を過ぎた父親を『ファイナルファンタジーXIV』に誘い、ゲームを通じて交流する姿がドラマとなっている。

 ドラマの内容としては、主人公の稲葉光生(千葉雄大)は父親の稲葉博太郎(大杉漣)とぎくしゃくした関係になっていた。幼い頃はファイナルファンタジーを通じて会話することも多かったのに、それもめっきりと無くなってしまった。光生は社会人になってもゲームをしており、オンラインゲーム『ファイナルファンタジーXIV』も「マイディー」という名前でプレイしていた。

 ある日、博太郎は会社を辞めてしまうがその理由を誰にも言わなかった。父親のことを何も知らないと感じた光生は、どうしても博太郎の真意を確認したいと考える。そこで、光生は『ファイナルファンタジーXIV』を通じ、ゲーム内のキャラクターを通して会話してみることを思いついたのだ。

■原作者・スタッフの愛にあふれる作品

 『ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』は俳優陣の演技だけでなく、実際の『ファイナルファンタジーXIV』のゲーム画面も映し出すことに成功している。千葉雄大が演じる光生はブログ筆者のマイディー氏にあたるが、当ドラマのゲーム内にも登場する。ゲーム内のキャラクターには声優が割り当てられており、キャラクターが生き生きと動いているように見える。

 また、オンラインゲームでは「ジェスチャー」と呼ばれる特定の動きが可能で、腕組などができる。ゲーム内のキャラクターが腕組をすると、役者も同じように腕組をしているシーンを映すなど、実写とゲームのリンク度に細心の注意が払われている。

 一見すると、ゲーム会社のスクエアエニックスの宣伝ドラマに映る可能性がある。しかし、各役者の演技やゲームと実写部分の作り込みを見る限り、『ファイナルファンタジーXIV』愛とマイディー氏のブログに配慮した作りになっている。

 『ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』はMBSで深夜1時15分、TBSでは深夜1時43分から放送している。また、動画配信サービスのNetflixでも配信しているので、今からでもドラマをチェックしていただきたい。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る

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