AR/VRヘッドセット市場が世界中で急成長 2021年には9940万台に

2017年4月8日 11:12

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記事提供元:エコノミックニュース

AR/VRは画面上に静止画像を表示するのみならず、建物の設計図や人間の器官等のデータを表示し、作業者がそれを見ながら操作できるため、エンタープライズユーザーにとっては、生産性を高めることが期待される。

AR/VRは画面上に静止画像を表示するのみならず、建物の設計図や人間の器官等のデータを表示し、作業者がそれを見ながら操作できるため、エンタープライズユーザーにとっては、生産性を高めることが期待される。[写真拡大]

 AR/VRヘッドセット市場では新たなデバイスが登場し、コンシューマーとエンタープライズの両方に幅広い多様なコンテンツが提供されており、より安価なデバイスの登場はAR/VRヘッドセット市場が世界中で急速に成長する契機となっている。IDCのWorldwide Quarterly Augmented and Virtual Reality Headset Trackerでは、2021年に出荷されるヘッドセットの合計は、2016年の1,010万台のほぼ10倍となる9,940万台に達すると予測している。AR/VRヘッドセット市場の2016年~2021年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は58%となる。

 AR/VRは画面上に静止画像を表示するのみならず、建物の設計図や人間の器官等のデータを表示し、作業者がそれを見ながら操作できるため、エンタープライズユーザーにとっては、生産性を高めることが期待される。AR/VRを用いての作業では、実際の作業に移る前に変更や手順をイメージすることができるため、企業にとっては時間とコストという二つの貴重なリソースを節約できる。従って、製造や設計、医療、運輸及び小売業など特定の市場においては、利益を最大化することにもつながると期待される。

 他方、コンシューマーにとっては、AR/VRはコンテンツ消費において没入的なユーザー体験を提供することになる。既に、コンテンツプロバイダーは「あたかもそこにいるかのような」ユーザー体験をもたらす各種ソリューションを開発している。コンシューマーは快適なソファにいながらにしてコンサートやスポーツイベントに参加しているかのような体験を得られる。さらに、AR/VRのゲームは、プレイヤーが宇宙空間や戦場にいるかのような感覚を与え、それは現在PCやテレビの画面で一般に経験できる内容をはるかに超えているという。

 ARは出荷台数の観点から言えば市場においては依然として少数派でだが、ARヘッドセットの世界総売上高は2016年推定値の2.09億ドルから2021年には487億ドルに成長するとIDCは予測しており、5年間の予測期間を通じて極めて大きな収益対象となると期待される。そして、VRヘッドセットの世界総売上高は2016年の21億ドルから2021年は186億ドルに成長すると見込まれる。「あらゆる技術的発展を前提とすると、幅広い価格帯とグレードの製品が数多く登場すると考えられる」と米国IDC Mobile Device Tracker シニアリサーチアナリストのジテシュ・ウブラニ氏は述べている。さらに、「VRヘッドセットは既に100ドル未満から1,000ドル以上の製品まで登場している。しかし、低コストのデバイスによるユーザー体験は初心者のVRユーザーを失望させる可能性があるため、技術普及を促すのではなく、むしろ阻害要因となる可能性がある」と述べている。(編集担当:慶尾六郎)

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