【第3回】企業風土

2017年3月31日 19:00

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 自動車メーカー時代の元同僚達に今の私の仕事内容を色々話していると、彼らの興味は「自分の会社と他の会社の違い」のようです。「企業風土の違い」について、同僚達と語って来ました。私は、1つの会社しか知らずに今の仕事を始めたので、驚きととまどいが大きかったです。前職の自動車メーカーが他の会社よりも大切にしている企業風土を挙げてみたいと思います。

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1.5Sの精神

 前職の職場では実験室、工場の5Sが完璧です。ビス1つ落ちていません。「落ちている部品はお金と思え」という教えがあり、もし部品が落ちていたら誰かが拾います。落ちている部品をまたぐような事は絶対にしません。「会社の財産を大切に扱う」という精神ですね。

2.安全への配慮

 手をポケットに入れながら歩く。これは必ず怒られます。また、廊下を走る、階段の手すりを持たない、階段を1つ飛ばしで昇り降りする、2人並んで歩くなど、よく考えれば小学校で言われていたような事ばかりです。会社にとっては従業員が転倒などで怪我をすると、その期間仕事をしてもらえないのですから、大きな損害になります。そのため、会社は「安全第一」を考えるのは当たり前です。「安全は全てにおいて優先される」とよく言われました。

3.改善に対する意識

 改善は日常的に考えるべき事です。改善の詳しい内容を知りたい方は第2回をお読み下さい。どのようなルーチンワークでも改善を日々考えながら業務をしています。さらに、思いついたらすぐに実践してみる事が大切です。考えているだけでは決して改善の成果は出ません。「まずはやってみる!」です。

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 いかがでしょうか。
 皆さんには、少し変な会社のように映るでしょうか。前職の自動車メーカーは、上記の内容を長年続けており、それが根付いています。その結果、収益を出せているのかもしれません(上記の事と収益が必ずしも結びつくわけではありませんが)。

 「企業風土の改善」言葉では簡単ですが、私は経営にウルトラCはなく、5Sや改善などを愚直に積み上げるしかないと考えております。

著者プロフィール

中山 聡史

中山 聡史(なかやま・さとし) 株式会社A&Mコンサルト 取締役 経営コンサルタント

2003年、関西大学 工学部機械システム工学科卒。同年、大手自動車会社に入社。全てのエンジンならびにエンジンシステムの設計・開発・品質管理・環境対応業務等に従事。2011年、株式会社A&Mコンサルトに入社。「モノ造りのQCDの80%は設計で決まる!」の理念のもと、自動車会社での設計~開発~製造、並びに品質保証などの経験を活かし、多くのモノづくり企業で、戦略構築、仕組改革、組織風土改革のトライアングル視点で企業の体質強化を図っている。

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