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川村真洋に見る乃木坂46のスキャンダル対処
乃木坂46の川村真洋……といって、ピンとくる人は、ファンでもなければ、相当なアイドル好きだろう。
今や写真集を出せば、5万部越えは当たり前、2度の紅白出場を経て、冠番組以外の番組への出演も目立ち始めた乃木坂46にあって、2年以上選抜入りすらしていない地味なメンバーである。
しかし、そんなメンバーがいきなり大きな話題になったのは、先月に週刊文春によって伝えられたスキャンダルの餌食に彼女がなったからである。
3年前に、大きなスキャンダルに見舞われた乃木坂46だったが、その後はほとんどスキャンダルは噴出せず、イメージでもあった「清楚」という看板も輝きを取り戻した矢先のスキャンダルで、タイミングとしては最悪だったかもしれない。
ただ、問題はそんなことではない。
報道から1カ月たっても、運営からのアナウンスも、本人からの謝罪や事情説明も一切ないということだ。
同じ、秋元氏がプロデュースするAKBGでは、スキャンダルに対するスルーは増えてきているが、乃木坂は前回も、ラジオ番組での謝罪があり、事情説明があり、またブログでの謝罪もあった。
それに対する中傷や攻撃はあったし、名前の挙がった3名の内、2回目の写真で未成年飲酒を疑わせたメンバーは契約解除となっている。
確かに、人気メンバー橋本奈々未の卒業を控え、スキャンダルでマイナスイメージを残したくないという配慮も理解できるし、グループにとって大切なバースデーライブ(乃木坂では毎年、それまでの出した曲を全曲歌うバースデーライブを実施している)を謝罪の場にしたくないという思いもわかる。
しかし、ライブが終わって1週間たっても音沙汰がないことで、いくつかの弊害が明らかになってきた。
前回も、スキャンダルが内定していた紅白の落選に繋がったという、証拠のない噂で当該メンバーがひどいバッシングを受けたが、今回も、「20歳になったら恋愛解禁」であるとか「この件で、乃木坂のメンバーが引っ越しをしなければならなくなった」という、悪意からついた尾ひれがネット上では既成事実化しかけている。
度重なるスキャンダルに、ある意味ファンが慣れていて、過剰に反応しなくなったAKBGと違い、「清楚なお嬢様」イメージを持ち、スキャンダル慣れしていないファンを多く抱える乃木坂は、ネットの悪意に対して非常にもろいのである。
今回、運営がどういう意図で、事情説明も謝罪もせず、本人のSNSやブログの発信も止めているのかはわからないが、このままでは、乃木坂46にも、川村真洋本人にも、必要以上のダメージが残る可能性が高い。
きついことを書いてきたが、乃木坂の運営は非常に優秀だ。
人気のある選抜メンバーだけではなく、2期生や人気面で後れをとっているメンバーにも適材適所でチャンスを与え、固定ファンを確実に獲得させるようにしている。
また、川村も、メンバー随一の歌唱能力、ダンスセンスを誇り、選抜回数は少ないものの、テレビ東京の人気番組『カラオケ☆バトル』で、アイドルとして初めて決勝進出を果たし、ギター雑誌に連載を持つなど、遅咲きのブレイクを期待できるメンバーである。
人気が出てくると叩かれるのは、アイドルに限らず芸能人の宿命といえば簡単ではあるが、優秀で将来のあるグループやメンバーの傷を少しでも浅くとどめることも必要だと思うのである。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る)
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