映画『ムーンライト』傷を負いながらも強く生きる黒人少年、その成長を描く人間ドラマ - 賞レースを席巻

2017年1月9日 15:55

印刷

記事提供元:ファッションプレス

 映画『ムーンライト』が、2017年に全国の劇場で公開される。

 ブラッド・ピット率いる映画製作会社プランBエンターテインメントが手がけた『ムーンライト』は、マイアミを舞台に、自分の居場所とアイデンティティを探すある少年の成長を、少年期・ティーンエージャー期・大人になるまで、の3つの時代構成で描いたヒューマンドラマ。

 ドラッグ、いじめ、虐待、父親の不在と、たくさんの傷を負いながらも強く生きる主人公シャロンは、時代に分けてトレバンテ・ローズ、アッシュトン・サンダース、アレックス・ヒバートの3人の俳優が演じている。

 その他、麻薬常習者の母親を『007』シリーズのナオミ・ハリス、主人公の少年の面倒を見る麻薬ディーラーを人気ドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」などに出演するマハーシャラ・アリらが出演。監督・脚本は、『ムーンライト』が長編2作目となる新鋭バリー・ジェンキンス、そしてエグゼクティブプロデューサーをブラッド・ピットが担当している。

 アカデミー賞に向けた賞レースの幕開けとなった「第26回ゴッサム・インディペンデント・フィルム・アワード」では、作品賞、審査員特別賞、観客賞、脚本賞の最多4部門を受賞。『スポットライト 世紀のスクープ』、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』、『それでも夜は明ける』と、同賞で作品賞を受賞した作品がそのままアカデミー賞作品賞に輝いていることもあり、『ムーンライト』のオスカー獲得への期待度も高い。

 そして、2017年1月8日に発表された第74回ゴールデン・グローブ賞授賞式において、見事『ドラマ部門・作品賞』を受賞。なお、授賞式では、監督のバリー・ジェンキンスは次のようにコメントを残している。「本当にありがとう。予想していなかったから・・すごく嬉しいです。この作品を選んでくれたすべての人に、感謝の言葉を伝えたい。そして何より、本作の企画・製作に携わってくれたPLAN BとA24は、4年前からこの映画を信じ続けてくれてありがとう。お母さん(本作でナオミ・ハリスが演じた母親役のモデル)にもこの場にいてほしかったけれど・・残念です。そしてこの映画を観た人は、一人でも多く周りの友人に本作のことを伝えてほしい」。

【作品情報】
映画『ムーンライト』(原題:MOONLIGHT)
公開時期:2017年全国ロードショー
監督・脚本:バリー・ジェンキンス
エグゼクティブプロデューサー:ブラッド・ピット
キャスト:トレバンテ・ローズ、アッシュトン・サンダース、アレックス・ヒバート、マハーシャラ・アリ、ナオミ・ハリス、アンドレ・ホーランド

【あらすじ】
学校では“チビ”というあだ名でいじめられ、麻薬常習者の母親のポーラ(ナオミ・ハリス)からは育児放棄をされているシャロン(アレックス・ヒバート)はマイアミの貧困地域で暮らしている、内気な性格の男の子。生活の中で行き場を失ったシャロンだったが、彼にとっての唯一の救いは、自分の親代わりになってくれる、近所に住む麻薬のディーラーの男・ホアン(マハーシャラ・アリ)とその妻、そしてたった一人の男友達のケビンだった。そんな日々の中、シャロンは、ケビンに惹かれている自分に気づく。しかし、このコミュニティでは、この感情は受け入れてもらえないと、幼いながらも勘づいていたシャロンは、誰にも、もちろんケビンに対してもそのことを伝えられずにいた。そんな時、ある事件が起きて…。

※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

関連記事