今年心に響いた広告は?JAA広告賞発表

2016年12月28日 08:59

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記事提供元:エコノミックニュース

消費者の心に響いた広告を決める「第55回JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール」の入賞作品が発表された

消費者の心に響いた広告を決める「第55回JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール」の入賞作品が発表された[写真拡大]

 広告主企業などで結成される公益社団法人日本アドバタイザーズ協会(JAA)が12月15日、今年消費者の心に響いた広告を決める「第55回JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール」の入賞作品を発表した。130人あまりの一般消費者から選ばれた審査員が、1938作品の中から「好感、共感、親近感が持てるか」「わかりやすく納得できるか」「オリジナリティが感じられるか」という3つの審査基準で作品を選定。「新聞」「雑誌」「テレビ」「ラジオ」「Web」「屋外・交通」と、「経済産業省大臣賞」の7部門に分け入賞作品が決められる。

 新聞部門では味の素<2802>の「これ、ぜんぶ失敗作…から生まれた料理です。」が受賞。美味しそうな料理の下に、「これ、ぜんぶ失敗作」という大きな文字。「なぜ失敗作なのだろう」という意外性がユーザーの心を引き込み、「少々失敗しても、逆転できるから料理はおもしろい」というキャッチコピーが共感できる。雑誌部門では花王<4452>の「むちゅうって、よごれることだ。」が受賞。子どもたちの汚れた手に商品写真というレイアウトに、「汚れた手が商品に結びついてわかりやすい」という意見が。使うシーンの想起させやすさが受賞に結びついた。

 テレビ部門では、赤城乳業「値上げ」が受賞。人気アイス「ガリガリ君」の値上げに関し、社員が並んで頭を下げて詫びているシーンが印象的。「そんなに頑張ったんだから…」という気持ちにさせる、企業努力が伝わる作品だ。ラジオ部門ではゆうちょ銀行<7182>「ATMの人・サラリーマン」が入賞。おせっかいを焼くATMの自動合成音声とお金を降ろす男性とのやり取りがコミカルでリスナーを引き込んだ。

 Web部門では日本郵便<6178>「WHITE Tree Letter」。人恋しいクリスマスシーズンに友人からのメッセージ。「Merry Christmas!!いつもありがとう。これからもよろしくね」という手書きのメッセージがスマホで送られてくるイメージは、デジタルとアナログの融合を表現。「使ってみたい」という共感を得た。

 屋外・交通部門ではパナソニック<6752>「見えない方がいい広告。」が入賞。空気清浄機の広告だ。発想のユニークさが伝わる広告になっている。そして経済産業省大臣賞には大塚製薬<4578>「見せてやれ、底力。」が選ばれた。バランス栄養食「カロリーメイト」のCMで、人々のさまざまなシーンを描いたストーリーが共感を呼び、映像の奇抜さや音楽など、全体の構成も秀逸で評価を得た。

 普段生活している中では何気なく見流している広告だが、こうして受賞作品を見ているとクリエイターがさまざまな想いをもって作り込まれた1つの芸術作品であると感じられる。一度じっくりと広告を眺めてみるのもおもしろい。来年はどのような広告が人々の心を響かせるのか、今から楽しみだ。(編集担当:久保田雄城)

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