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第2回「ウッドデザイン賞」受賞作品251点が発表
「住まいと暮らしサロン」を受賞した、アキュラホーム埼玉北支店3階建てオフィス棟[写真拡大]
10月24日、(特)活木活木森ネットワーク、(公社)国土緑化推進機構、(株)ユニバーサルデザイン総合研究所の3社からなるウッドデザイン賞運営事務局は、「ウッドデザイン賞2016」の受賞作品251点を発表した。
ウッドデザイン賞は、「木」に関するあらゆるモノ・コトを対象に、「暮らしを豊かにする」、「人を健やかにする」、「社会を豊かにする」という3つの視点から、とくにデザイン性が優れた製品・取組等を消費者目線で評価し、表彰する新しい顕彰制度だ。第2回となる今年は応募総数451点。審査には審査委員会の赤池学氏(ユニバーサルデザイン総合研究所所長)をはじめ、建築家の隈研吾氏、プロダクトデザイナーの益田文和氏、アーティストの日比野克彦氏、慶應義塾大学大学院教授の伊香賀俊治氏らがあたった。
今年の受賞作品をみてみると、木を使って暮らしの質を高めているものが対象となる「ライフスタイル部門」では、積水ハウス株式会社と株式会社グローバルキッズによる「江東亀戸サテライトグローバルキッズ竪川園」などが選ばれている。同作品は、江戸時代より木材流通の重要な拠点として木との繋がりが深い江東区に位置する、木に包まれた保育園の園舎。壁や天井に国産材をアクセントに使うことで、木ならではの感触の柔らかさ、温かさ、木目の多様さなど感じられる空間を通して、そこに通う子どもたちが豊かな五感と心を育む場となっていることが評価された。
木を使って人の心を豊かにし、身体を健やかにしているものが対象となる「ハートフルデザイン部門」では、フローリングや床材を取り扱う株式会社イクタと、フラワーアーティスト川崎景太氏の作品を主に取り扱う株式会社KTIONによる「HANA GRAPHIC WOOD」などが受賞した。同作品は、川崎氏の繊細な作品「花グラフィック」を最先端のレーザー技術と日本伝統の金箔工芸によって国産材に咲かせるという挑戦を行ったもの。建築材の新たな表現方法として注目されるものだ。
そして、木を使って地域や社会を活性化しているものが対象となる「ソーシャルデザイン部門」では、株式会社アキュラホームが「住まいと暮らしサロン」を受賞した。同作品は、埼玉県熊谷市にアキュラホーム埼玉北支店3階建てオフィス棟として建築されたもので、「木造軸組み工法」を用いて、一般流通材と一般加工・施工技術で建てた中規模木造建築。内部は木造軸組み工法を応用した「シザーストラス」で6m×16mの無柱の大空間を実現し、構造材をそのまま内装の仕上げとなっている。木に包まれた豊かな空間では、事務所機能の他に、暮らし講座の開催や工具の貸し出しなども行われており、地域コミュニティづくりに貢献している。
今後、これら受賞作全251点を対象に最終審査が行われ、12月8日(木)に東京ビッグサイトにて開催される表彰式にて最優秀賞(農林水産大臣賞)1点、優秀賞(林野庁長官賞)数点、奨励賞(審査委員長賞)数点が発表される予定だ。
デジタルが氾濫している世の中だからこそ、木のぬくもりが心を和ませてくれる場面も多い。ウッドデザイン賞の知名度が上がることによって、木のある暮らしがもっと見直されるきっかけにもなるのではないだろうか。今後の発展にも期待したい。(編集担当:藤原伊織)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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