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Linuxカーネルに11年以上存在の特権昇格脆弱性「Dirty COW」修正される
Linuxカーネルに11年以上前から存在するバグが修正された。このバグは以前から知られていたものだが、最近になって特権昇格の脆弱性(CVE-2016-5195)であることが判明し、エクスプロイトの存在も確認されて「Dirty COW」と名付けられていた(メーリングリストでのアナウンス、V3の記事、The Registerの記事、Ars Technicaの記事)。
Dirty COWはLinuxカーネルのサブシステムがcopy-on-write(COW)を処理する際に競合を起こし、プライベートな読み取り専用メモリーマッピングへの書き込みが可能になるというもの。このバグを特権のないローカルユーザーが利用することで、特権の昇格が可能になる。Linus Torvalds氏は11年前にバグの修正を試みているが、s390アーキテクチャーで問題が発生して取り消されていたとのこと。
RedHatではDirty COWの深刻度を2番目に高い「Important」としており、任意コード実行の脆弱性などと比べて低い評価になっている。しかし、発見者のPhil Oester氏によれば、エクスプロイトは少なくとも2007年から存在しており、侵入されたサーバーも発見されているという。エクスプロイトの実行が容易ということもあり、迅速な対応が求められるとのことだ。
脆弱性はLinuxカーネル4.8.3/4.7.9/4.4.26 LTSで修正されており、DebianとUbuntuもアップデートがリリースされている。Red Hatのアップデートはまだのようだが、Bugzillaで緩和策を紹介している。 スラドのコメントを読む | ITセクション | Linux | セキュリティ | バグ
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