三越伊勢丹　パリに日本の“文化・ものづくり”伝える新店舗　ファッションウイークに特別企画も

　三越伊勢丹グループは10月1日、パリのエッフェル塔近くにある「パリ日本文化会館」1階にスペシャリティストア「The Japan Store ISETAN MITSUKOSHI Paris」を出店した。ストアコンセプトは「ART DE VIVRE AU JAPON（日本の芸術的生活）」とし、「日本の美意識、手わざ、こだわりから産み出される商品とそのストーリーによって日本への関心を深め、文化会館の企画展やパリのイベントと連動しつつ、ストア独自のイベントも企画する」予定だ。

　店舗面積は約90平方メートルで、店内半分は1～2ヶ月毎に入れ替えるポップアップ、あとの半分は常設ゾーンで構成しマーケティングしていく。10月29日までのオープニング企画「CHABAKO」展には、100万円を軽く超えるセットが陳列されている。また10名のクリエーターが参加する企画では、「まとふ（matohu）」がセレクトした茶器とまとふオリジナルテキスタイルの仕覆が並んだ。ファッションでは、クラフト系デニムブランドの「FDMTL」がフィーチャーされていた。

　このプロジェクトを推進してきた三越伊勢丹ホールディングス・海外事業本部・海外ＭＤ部・海外ＭＤ政策担当長の中川一さんによると「将来的にはきちんとした形でパリに店を出したい。そのためのマーケティングを行うパイロットショップと考えている。ファッションに関しては、メンズ・レディスのファッションウイークに企画をやろうと考えている。ただファッションだけでずっと闘っていけるとは思っていない。そういう意味では、食を10%位入れているように生活に定着したものが中心になる」と語った。

　また、「ここでしか買えない」という点で、お茶をテーマにしたジャン=ポール・エヴァンのチョコレート、クリスティーヌ・フェルベールのコンフィチュール、パティスリー・サダハルアオキのチョコレート、アンリ・ルルーのキャラメルなど、日本人観光客にとってもフックになる商品も揃えられた。まずはマーケティング視点での取り組みとし、その後の本格出店へとリサーチを進めていくそうだ。

■パリ日本文化会館
http://mcjp.fr/ja

■The Japan Store ISETAN MITSUKOSHI Paris
http://thejapanstore.mistore.jp/

（取材・文／久保雅裕）