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新興市場見通し:注目イベントを手掛かりに個別物色、JR九州は7日からBB
*14:57JST 新興市場見通し:注目イベントを手掛かりに個別物色、JR九州は7日からBB
先週の新興市場では、マザーズ指数、日経ジャスダック平均ともにもみ合いとなった。黒田日本銀行総裁の講演や米大統領選挙のテレビ討論会を受けた市場反応を睨みながらの一進一退の展開だった。円高局面で為替影響の小さい中小型株が選好され底堅さを見せる場面もあったが、週末にかけては欧州金融不安を背景にリスク回避目的の手仕舞い売りが優勢となった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-1.8%であったのに対して、マザーズ指数は+0.4%、日経ジャスダック平均は+0.4%だった。
個別では、マザーズ時価総額上位のそーせいグループ<4565>が週間で0.3%安、ミクシィ<2121>が同1.4%安、サイバーダイン<7779>が同3.6%安とさえなかったものの、売買代金上位ではオンコセラピー・サイエンス<4564>、セラク<6199>、ブランジスタ<6176>などが同2ケタの上昇率となった。オンコセラピー・サイエンスは米シカゴ大学・中村教授の学会発表が期待されているようだ。また、リアルコム<3856>やALBERT<3906>が週間でマザーズ上昇率上位となる一方、エナリス<6079>は特設注意市場銘柄等の指定解除により材料出尽くし感から大きく売られた。ジャスダック主力では、セリア<2782>が同6.6%高となる一方、セプテーニ・HD<4293>が同7.7%安となるなど高安まちまち。売買代金上位では、シンバイオ製薬<4582>やアサカ理研<5724>が利益確定売りに押されたものの、特設注意市場銘柄の指定が解除されたSJI<2315>は大きく買われる場面があった。また、エージーピー<9377>やULSグループ<3798>が提携のリリースを手掛かりに急伸し週間でジャスダック上昇率上位となった。反面、サムシングHD<1408>などが下落率上位だった。IPOでは、バリューデザイン<3960>など5社が新規上場し、いずれも堅調な初値形成となった。特にシルバーエッグ・テクノロジー<3961>とチェンジ<3962>は人工知能(AI)関連などのテーマ性を背景に初日値付かずの高い人気となり、上場後も物色を集めた。
今週の新興市場では、マザーズ指数は直近レンジ内でのもみ合いが続くとみられる。週初はドイツ銀行に対する懸念後退で買いが先行するだろうが、週末に控える米雇用統計の発表が迫るに連れ地合い睨みの様相を強めそうだ。イベントなどを手掛かりとした個別物色中心の展開が想定される。
10月1日から始まった中国・国慶節の大型連休や、3日から順次発表されるノーベル賞、4日から開催される「CEATEC JAPAN 2016」などが注目イベントとなるだろう。なお、今週は4日にエスプール<2471>、放電精密加工研究所<6469>、5日にフロイント産業<6312>、7日にファーストコーポレーション<1430>、コシダカHD<2157>、TOKYO BASE<3415>、ファーストブラザーズ<3454>、シリコンスタジオ<3907>などが決算発表を予定している。
IPO関連では、10月7日にキャピタル・アセット・プランニング<3965>がジャスダックへ新規上場する。公開規模が非常に小さく、足元でIT投資が活発な金融機関等を主な顧客とするシステム開発会社のため、投資家の関心は高いようだ。また、九州旅客鉄道<9142>(JR九州)は6日に仮条件が決定し、7日よりブックビルディング(BB)期間となる。なお、先週は岐阜造園<1438>(11月1日、名証2部)、バロックジャパンリミテッド<3548>(11月1日、東証1部または2部)の新規上場が発表されている。《FA》
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