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ありがちなパスワードを「強い」パスワードと判断してしまうパスワード強度メーター
headless 曰く、 昨年、パスワードの強度を判定するツールの問題点が話題になったが、jQueryプラグインとして提供される人気のパスワード強度メーターでは現在もあまり改善されていないようだ(Naked Security、Guardian、Register)。
デジタルコンサルタント会社、英Compound EyeのMark Stockley氏は昨年、スラドで紹介したカナダ・コンコルディア大学の研究とは異なる方法でパスワード強度メーターを調査し、Naked Securityで結果を発表している。先日新たに掲載された記事によれば、前回の調査から1年以上たった現在も状況は変わっていないという。
判定に問題のあるパスワード強度判定ツールの弱点は、文字種や文字数の多さといったエントロピーにばかり注目するところだ。Stockley氏の行ったテストは、jQueryプラグインとして公開されているパスワード強度メーターで人気の高いもの5本を選び、よく使われるパスワード上位10,000件のリストから特定の条件を満たすパスワード5本を選んで判定させるというものだ。パスワード強度メーターはGoogleで「jquery strength meter」を検索し、上位5本を選んでいる。
選ばれたパスワードは「abc123 (14位、英字と数字の組み合わせで最上)」「trustno1 (29位、英字と数字の組み合わせで2位)」「ncc1701 (158位、エンタープライズ号の登録番号)」「iloveyou! (8,778位、英数字以外の文字種が使われた中で最上位)」「primetime21 (8,280位、英字と数字の組み合わせで一番長い)」となっている。これらのパスワードはパスワードクラックツール「John the Ripper」で1秒以内にクラックできてしまうという。
これらのパスワードは確実に弱いパスワードだが、5本のパスワード強度メーターは少なくとも1つのパスワードでパスワード強度「中」と判定している。今回使用したパスワード強度メーターのうち2本は前回と同じものだが、前回とまったく同じ結果が出ている。今回はDropboxなどでも使われ、評価の高いオープンソースのパスワード強度メーター「zxcvbn」を比較対象として同じテストを行っており、こちらはすべて「非常に弱い」と判定したとのこと。
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※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。
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