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【第23回香港ファッションウィーク春/夏(4)】主催者に聞く「香港ファッションウィーク」の今と「センターステージ」のこれから
香港最大の見本市会場である香港コンベンション&エキシビションセンターで7月4~7日の4日間に行われた「第23回香港ファッションウィーク春/夏」。アジア最大規模を誇る国際ファッション見本市としての強み、また、これまで1月に開催されていた「ワールドブティック香港」をアップデートし、9月に初開催する「センターステージ」のねらいは何か。主催者である香港貿易発展局・展覧会事業部のシニア・マネージャーを務めるバイロン・リー氏(http://www.hktdc.com/)と、香港特別行政区の立法評議会メンバーでもあるニットウエア・イノベーション&デザイン協会会長の(http://www.hkkids.org/)のローレンス・リョン氏に聞いた。
ファッションテックからクリエーションまでバラエティーに富む構成
――香港ファッションウィークの強みは。
バイロン・リー氏(以下リー):香港ファッションウィークは、1月の秋冬展と7月の春夏展と年2回開催しているが、今回の出展者は1,200社と前回展(2015年7月)と比べてわずかだが増加した。世界の市況が芳しくないなか、勇気づけられる数値だと考えている。アジアを中心に初出展をしてくれた国もある。日本の出展状況も、国際ファッションセンター協力のもと、継続参加してくれる企業もあり安定している。より規模の大きい1月展には約1,500社が参加しており、仕入れ・調達のためのトレードショーとして、アジアで最大規模を維持している。
出展カテゴリーの幅が広がっている点にも注目してほしい。例えば今回出展しているエプソン香港のデジタルプリンターのようなアパレル機器や、実力派から若手まで揃ったデザイナーブランドなど、バラエティーに富んだ構成になっている。
――今回から、ファッションテック、フットウエア、レギンス&ソックス、ニットウエア、ウィメンズウエアの5つの新しいゾーンが増えた。
リー:衣料品は以前、「ガーメントマート」という1つのゾーンにまとめていたのだが、カテゴリーが細分化されることによって欲しいものが見つけづらくなっていた。そこで、ゾーンを分けカテゴリーをより明確にすることに注力し、バイヤーがより簡単かつ便利に仕入れができる環境を整えた。
新しいゾーンの1つに、「ファッションテック」があるが、製造やデザイン、販売など、ファッションのどの分野においても非常に重要な要素だととらえ、新たに加えた。ソフトウエアやテクノロジー、アプリなどが含まれるが、香港ファッションウィークの強みとしてしっかりとプロモーションしたい。
ローレンス・リョン氏(以下リョン):ファッションテックについて言えば、バイヤーたちが最も重視しているといえるのが、“GO GREEN(環境保護)”なもの。例えば製造過程での汚染削減など、テクノロジー開発が環境保護に寄与できる面も多い。若い世代は、“エコフレンドリー”への関心がより高まっているため、今後ますます注目されるだろう。
ぜひおすすめしたいのが、香港紡織及び成衣研究中心(HKRITA)のブースだ。ジュネーブ国際発明展示会でも高く評価されたものなのだが、食品廃棄物を生分解性のポリ乳酸繊維に変えるメソッドや、織物を染める際に水の消費量を従来の約90%減少させることができるリサイクル溶媒の応用技術などを紹介している。HKRITAや香港理工大学は、技術開発や研究において日本や欧米の企業とも様々なコラボレーションを進めている。香港政府も補助金を出すなどして支援しており、私たちも、最先端の技術がデザイナーたちのクリエイティビティーを支えるプラットフォームになると考え重視している。
賑いを見せた香港エプソンのブース
HKRITAの取り組みを紹介するブース
――近年の数値的成果や力を入れている点は?
リー:世界経済の厳しさから輸出については厳しい状況にある。これはアパレル業界にもいえることだが、この見本市では、有力バイヤーたちを世界各地から誘致することで成果をあげている。前回展の例をあげると、世界大手のオンラインショッピングモールであるタイの「ザローラ(ZALORA)」は20社以上のバイヤーから10万USドル、韓国のロッテ百貨店はタイやインドネシアのサプライヤーから60万USドルの仕入れをそれぞれ行ったと聞いている。
リョン:香港は、世界でも重要な”仕入れの中心地“として機能している。中国だけではなく、ベトナムやカンボジア、バングラデシュなどに工場を持つ企業の多くが香港にオフィスを持つが、税率が低いことや法の手続きが簡単であることなどバイヤーとサプライヤー双方にとってメリットも多い。またそうした背景から、ファッションビジネスの経験が豊富で優秀な人材も集まっている。“ファッションランゲージ”がわかる人が多いというのは、非常に重要だ。
※この記事はアパレルウェブより提供を受けて配信しています。
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