関連記事
【株式市場・今週の展望】「最後の審判」のその時を、身を縮めて待つ週
1960年代、ビートルズが世界を変えた。6月23日、英国国民が世界を変える?「ドゥームズ・デー(最後の審判の日)」に、赤い舌を出して、マーケットを「黒くぬれ」?[写真拡大]
今週、6月第4週(20~24日)は5日間の取引。21日は夏至。23日は英国でEU離脱の是非を問う国民投票の投票日。この「ドゥームズデー(The Doomsday/最後の審判の日)」に、もしEU離脱という「地獄行きの宣告」が下されたら、英国ポンド激安、ユーロ超安、日本円鬼高、NYダウ爆安、日経平均極安が予想され、世界のマーケットは阿鼻叫喚の黙示録の世界と化す。
前週は「この日、世界の終わりが来るのか?」という終末感が漂い、リスクオフが世界をおおっていた。英国国民は今や、世界の運命の鍵をその手に握る「選ばれし民」だ。日本時間で24日の午前から正午頃にかけて、その最後の審判の結果が判明し、マーケットの命運が定まる。
世界の主要株式市場の休場日は、22日にマレーシアが休場する。
国内の経済指標、イベントは、20日には5月の貿易統計、白物家電の売上高、百貨店売上高、21日には4月の全産業活動指数、5月の食品スーパー売上高、全国スーパー売上高、22日には5月の毎月勤労統計調査が、それぞれ発表される。22日は参議院選挙の公示日で、投票日は7月10日。選挙権は20歳以上から18歳以上に引き下げられ、高校生もいる。23日には4月の景気動向指数改定値、24日には5月の企業向けサービス価格指数が、それぞれ発表される。
日銀関係では、21日に黒田総裁が講演を行う。21日に4月27、28日開催の金融政策決定会合の議事要旨、24日に6月15、16日開催の金融政策決定会合の「主な意見」が公表される。
主要銘柄の決算発表はホームセンター、百貨店など小売業の3~5月期決算が始まる。20日はあさひ、21日はアークランドサカモト、23日はシーズメン、オプトエレクトロニクス、24日はダイユーエイト、瑞光、ジーンズメイト、高島屋、パルコなど。
新規IPOは今週4件ある。
21日にストライク<6196>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で、株式譲渡、事業譲渡、合併など組織再編、資本提携の仲介業務や、その付随業務を行う。M&Aをサポートする企業。公開価格は3440円。
21日にAWSHD<3937>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で、システムソリューションの提供、医療情報システムのソフトウェア商品の開発・販売などを行う。業務はフィリピンの子会社を活用し、いわゆる「オフショア開発」。公開価格は2490円。
22日にジェイリース<7187>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で、賃貸住宅の家賃債務保証事業を行う。公開価格は3100円。
23日にバーチャレクス・コンサルティング<6193>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で、CRM(顧客関係管理)プロセスの導入・構築にかかわるコンサルティング、システムソリューションの提供、コールセンターの運営受託業務などを行う。公開価格は1090円。
なお、23日に新規上場するコンピュータマインド<2452>は上場先の市場が機関投資家専用のTOKYO PROマーケットで、原則として個人投資家は売買できない。この市場への新規上場は7月7日にも1件ある。
海外の経済指標、イベントは、23日の英国の「隕石衝突級終末イベント」以外では、21、22日のイエレン議長の議会証言が重要。
20日にはドイツの生産者物価指数(PPI)、21日にはドイツ、ユーロ圏の6月のZEW景況感指数が、それぞれ発表される。21日に連邦議会上院、22日には下院でイエレンFRB議長が議会証言を行う。
22日にはユーロ圏の6月の消費者信頼感指数速報値、アメリカの4月のFHFA住宅価格指数、5月の中古住宅販売件数、23日にはドイツ、フランス、ユーロ圏の製造業PMI、サービス業PMIの速報値、アメリカの5月のシカゴ連銀全米活動指数、新築住宅販売件数、CB景気先行指標総合指数、6月の製造業PMIが、それぞれ発表される。
23日に英国でEU残留の是非を問う国民投票が実施される。日本時間で24日の午前から正午頃にかけて結果が判明する。その後に待っているのは地獄か? 天国か?
24日にはドイツの6月のIFO景況感指数、アメリカの5月の耐久財受注、ミシガン大学消費者信頼感指数確報値が発表される。
21日にトルコ、ハンガリー、22日にタイで政策金利が発表される。
アメリカの主要企業の決算発表は、めぼしいところは予定されていない。
1週間でドル円の円高が2円以上も進行し、週間騰落1001円安の前週末17日の終値は15599.66円だった。そのテクニカル・ポジションを確認すると、移動平均線は全て上にある。5日線は15766円で167円上、25日線は16532円で933円上、75日線は16621円で1022円上、そして200日線は17595円で1996円上。200日線は別の惑星にいるとしても、前々週まではそれを上回っていた25日線や75日線まで、今は900~1000円も上空に浮かんでいる。それが週間1001円下落のすさまじさだ。
日足一目均衡表の「雲」は17日時点では16542~16658円だった。前週末も起きたが、今週は23日と24日の間で「雲のねじれ」が起きる。24日はEU離脱の是非を問う英国の国民投票の結果がザラ場中に確定するはずなので、二重の意味で変化日になる可能性がある。雲の上限は20~23日は16542円で一定で、ねじれた後の24日は16552円。雲の下限は20日16468円、21日16472円、23日16521円と上昇し、24日は16542円。雲の厚さは20日は74円だが、24日はたった10円ときわめて薄くなる。前週13日は何の抵抗も見せず始値で雲の下に突き抜けたが、今週はもっと薄くなるから、上に突き抜けるのはやさしくなる。しかし、雲の下限まで500円前後あるので、そこにたどり着くまで遠い。
ボリンジャーバンドでは、17日終値は25日線-3σ(15248円)と-2σ(15676円)の間にある。つまり「売られすぎ」。それだけ見れば今週は「下値きわめて限定、どんどん上値追いできる」という週なのだが、事はそう単純にはいかない。-1σは16104円、+1σは16960円、+2σは17388円にある。
オシレーター系指標は、「前週あれだけ下げまくったから、売られすぎシグナルの百花繚乱だろう」と思いきや、3個しか点灯していない。10.4で売られすぎ基準の30を下回ったストキャスティクス(9日・Fast/%D)、-6.0%で売られすぎ基準の-4%を下回った25日移動平均乖離率、-69.9で売られすぎ基準の-50を下回ったRCI(順位相関指数)の3つである。それ以外では、ボリュームレシオは42.6、サイコロジカルラインは5勝7敗で41.7%、RSI(相対力指数)は24.8、騰落レシオは88.0となっている。
■関連記事
・【今週の展望】日米中央銀行イベントの通過後に来るものは?
・【今週の展望】雇用統計ショックに加えメジャーSQ週の鬼門
・【今週の展望】上値が抑えられ、17100円あたりが限界か?
・【今週の展望】サミットのホスト国マーケットに波乱あり?
・【今週の展望】底堅くても上値がはね返されて動きにくい週
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク